うかい <7621> (JQ)は高級和食・洋食料理店を主力として、文化事業も展開している。21年3月期予想は未定としている。新型コロナウイルスの影響を強く受けるが、経済活動再開に伴って後半には売上が緩やかに回復に向かうことを期待したい。なお影響長期化に備えて取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、資金面の不安はない。株価は7月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。業績悪化懸念は織り込み済みであり、戻りを試す展開を期待したい。
 
■高級和食・洋食料理店が主力
 
 高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。
 
 20年3月期の売上高構成比は、事業本部が92%(和食39%、洋食43%、物販・その他11%)で、文化事業が8%だった。店舗数は和食事業7店舗、洋食事業8店舗である。物販事業は「アトリエうかい」の常設店、ECサイト、百貨店の催事出店での販売などを展開している。なお収益面では第3四半期の構成比が高い季節特性がある。
 
 海外は、17年11月台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内に1号店「うかい亭 高雄」をグランドオープン、19年1月台湾・台北市の商業施設「微風南山」内に2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」をオープンした。
 
 中期成長戦略として、ブランドの向上と確立(オンリーワンの店づくり)、安定的な収益基盤の再構築、戦略的・中長期的な人材育成、財務体質の改善を推進している。飲食事業における顧客ニーズ多様化に対応した新メニュー開発、郊外店舗の集客力の底上げ、物販事業における「アトリエうかい」既存4店舗の成長促進、文化事業におけるイベント企画強化など、収益力向上に向けた施策を推進する方針だ。
 
■21年3月期は新型コロナ影響だが後半の緩やかな回復期待
 
 21年3月期第1四半期業績(非連結)は、売上高が前年同期比76.0%減の8億53百万円、営業利益が5億80百万円の赤字(前年同期は34百万円の黒字)、経常利益が5億53百万円の赤字(同25百万円の黒字)、純利益が8億20百万円の赤字(同35百万円の黒字)だった。
 
 新型コロナウイルスの影響で店舗の臨時休業・臨時休館を実施したため大幅減収・赤字だった。なお特別損失には店舗休業期間中に発生した店舗固定費(人件費、賃借料、減価償却費など)5億58百万円を計上し、特別利益には新型コロナウイルス影響に伴う雇用調整助成金等1億73百万円、および19年10月の台風19号によって被災した資産に係る保険金収入1億23百万円を計上した。
 
 通期予想は未定としている。店舗営業再開後も集客の回復には一定期間を要することが想定されるため、通期ベースでも新型コロナウイルスの影響を強く受けるが、経済活動再開に伴って後半には売上が緩やかに回復に向かうことを期待したい。なお8店舗で「お持ち帰り料理」を展開し、メニューの充実も推進している。
 
■資金面の不安なく、リスクマネジメントを評価
 
 なお新型コロナウイルスの影響が長期化する可能性に備えて、20年4月および6月に取引金融機関4行と総額73億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金面の不安はない。
 
 20年3月期有価証券報告書の「事業等のリスク」欄には、「新型コロナウイルスの影響で売上高が著しく減少し、継続企業の前提に関する重要事象を生じさせるような状況が存在しているが、財務基盤を安定させるためキャッシュ・フロー改善の推進、設備投資や経費の見直しなどの対策を行っていることに加えて、コミットメントライン契約を締結して機動的な資金調達手段を確保していることにより、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断している」との内容が記載されている。資金面に不安はなく、リスクマネジメントが強化されていることを評価したい。
 
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
 
 株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
 
■株価は戻り試す
 
 株価は7月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。業績悪化懸念は織り込み済みであり、戻りを試す展開を期待したい。9月24日の終値は3390円、前期実績PBR(前期実績のBPS860円44銭で算出)は約3.9倍、時価総額は約177億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)