中国の経済回復は順調に進んでいるようだ。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は9月23日、「中国:民営企業サポートでより強固な回復へ」と題したレポート(全9ページ)を発表し、中国経済の現状を分析した。10月には、2021年にスタートする新5年計画の骨子を議論する中央委員会第5回全体会議(5中全会)も開催される。コロナ禍からの回復を実現し、次の成長を目指す準備が着々と進められている。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国政府は民営企業(中小・零細企業)への金融面でのサポートを強化している。具体的には、中小・零細企業向け貸出に関する考課ウエイトの引き上げとある程度の不良債権化の容認により、貸出を増やそうとしているのである。コロナ禍とその立ち直りという極めて重要な時期に、「雇用」の面からも中小・零細企業の重要性が益々高まっているのであろう。

◆中国経済は投資主導で回復が続いている。1月~8月の固定資産投資は前年同期比0.3%減(以下、変化率は前年同期比、前年比)となり、累計ベースでもプラス転換が間近となった。分野別には不動産開発投資とインフラ投資(電気・水道・ガスを含むベース)が堅調である。1月~8月の小売売上は8.6%減へとマイナス幅が縮小した。懸案の接触型消費では、感染リスクの大幅低下を受けて、映画館といった文化娯楽施設の営業再開が加速するなど、一部に明るさも出てきた。

◆中国経済見通しに変更はない。今後も投資主導で回復が続き、2020年の実質GDP成長率は2.1%程度、2021年は7.1%程度となろう。(イメージ写真提供:123RF)