新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2波が拡大し始めた頃から、ホテルの売却広告が増え出した。当初はホーチミン市とハノイ市の一部地区だったが、今では全国のリゾート観光地にも広がっている。不動産仲介業者によると、ホテル売却の動きは過去10年で最も盛んだが、買い手はなかなか見つからないという。

  米系総合不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(Jones Lang LaSalle=JLL)ベトナムのホテル投資部門責任者ボー・クオック・フオン・チャン氏は、「ホテル業界はコロナ禍で最初に最も大きな影響を受け、大半のホテルが営業を停止した。コロナがいつ収束するのか分からない中で赤字を計上し続けてきたホテルが、持ちこたえられなくなって売却に動いた」と説明した。ただ、売値が高いこととコロナの今後の変化を見極めようとする心理で、成約した件数は少ない。

  英系総合不動産サービス会社サヴィルズ(Savills Vietnam)のアジア太平洋地域ホテル部門の責任者マウロ・ガスパロティ(Mauro Gasparotti)氏によると、年初から8月末までにベトナムでリゾート不動産やホテルの買収が成功した例はないという。同氏は観光市場が完全に回復するまでに2年はかかると予想。半年後に状況が改善していなければ、売り出すホテルはさらに増えるが、地の利が良く質の高いホテルが売りに出されるケースは少ないとみている。(情報提供:VERAC)(イメージ写真提供:123RF)