ドル円はじり安となり、FOMC前には105円を割り込み、104円80銭まで下落。パウエル議長の会見を受け105円台に戻す場面もあったが再び104円台に。ユーロドルは1.18台後半まで買われたがその後反落。1.1788まで売られる荒っぽい動きに。パウエル議長の会見を受けハイテク株が売られ、ナスダックは139ポイント下落。ダウは小幅に上昇するなど、株式市場の反応はまちまち。債券は小幅に下落。長期金利は0.7%付近まで上昇。金は3日続伸。原油価格はハリケーン「サリー」がメキシコ湾岸に上陸したことで大幅に続伸。約2週間ぶりに40ドル台に乗せる。

8月小売売上高       →  0.6%
9月NAHB住宅市場指数  →  83

ドル/円  104.80 ~ 105.14
ユーロ/ドル 1.1788 ~ 1.1876
ユーロ/円  123.88 ~ 124.79
NYダウ  +36.78 → 28,032.38ドル
GOLD  +4.30 →  1,970.50ドル
WTI +1.88 →   40.16ドル 
米10年国債  +0.018 → 0.697%


【本日の注目イベント】

豪   豪8月雇用統計
日   日銀金融政策決定会合
日   黒田日銀総裁記者会見
欧   ユーロ圏8月消費者物価指数(改定値)
英   BOE金融政策発表
英   BOE議事録
米    新規失業保険申請件数
米   9月フィラデルフィア連銀景況指数
米   8月住宅着工件数
米   8月建設許可件数


 ドル円は続落し、7月末以来となる105円割れを示現しました。軟調な経済指標を受け、ドルはFOMCの結果発表前に104円80銭まで下げ、FOMCではよりハト派的の姿勢が示されるとの見方が根強く、ジリジリと下げる展開でした。FOMCでは予想通り、新型コロナ感染のパンデミックからの米経済回復を支援するため、少なくとも2023年いっぱいは、ゼロ付近の金利を維持することが示唆されました。

 声明文では、「FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている」とし、「期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ」と記され、フォワードガイダンスが強化された形になっています。さらに声明文では、今回の決定では8人の委員が賛成し、2人の委員が反対票を投じた。反対票を投じたのはダラス連銀のカプラン総裁と、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の二人で、カプラン総裁は、経済が最近の出来事を乗り越え、新たな政策戦略で明言しているように最大限の雇用と物価安定の目標を達成する軌道に乗っていると委員会が確信するまでは、現行の目標レンジを維持するのが適切だと想定した。同総裁はしかし、その時点から先は政策金利に関してより柔軟性を保持することが望ましいと主張した。カシュカリ総裁は、コアインフレが持続的に2%に達するまで現行の目標レンジを維持すると見込んでいると、委員会が示唆することを望んだ、と記されています。(ブルームバーグ)

 また会合後の記者会見の席でパウエル議長は、「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」と述べ、「今後の道筋は依然極めて不透明だ」と景気回復の勢い継続に確信が持てないとの認識を示し、さらに「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」、「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」と述べ、財政面からの支援が不可欠との見方も示しています。

 FOMCの結果とパウエル議長の会見を受け、ドル円はやや値を戻す場面もありましたが、戻りも限定的で今後しばらくは米金利の上昇がないことから、ドルの先安感がぬぐえない展開になっています。ドル円は105円台半ばのサポートを割り込み、さらに昨日は105円前後の重要なレベルを割り込みました。本欄でも何度か指摘したように、ドル円はドル安基調が維持され、特に今週に入ってからは緩やかな下落基調を明確に示し始めています。2023年末まで現在のゼロ金利が維持され、緩和的な政策が続くとすれば、米国の実質金利がプラスに転じる可能性は低く、ドルの実質的な価値が低下することは避けられません。今後行われる米大統領選の結果にもよりますが、ドルの先安感を払拭するきっかけをなかなか掴めないのが実情です。今後は7月31日に付けた直近ドルの安値である104円20銭が意識される展開が予想されます。ドル円は、ここで踏み留まれるかどうかが、年末にかけてのドル円の動きにとって大きな意味を持ちそうです。

 本日のドル円は104円60銭~105円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)