ドル円は東京時間の午後からじりじりと値を戻し、NYでは一時106円台を回復し、106円09銭まで上昇。ユーロドルも買われ、今月18日に付けた1.1966前後と並ぶ。ユーロは対円でも126円84銭近辺まで買われ、2019年3月以来、1年半ぶりのユーロ高を記録。株式市場はまちまち。ダウとS&P500は利益確定の売りが先行し下落。一方ナスダックは79ポイント上昇し、最高値を更新。債券は続伸し、長期金利は0.70%台に。金は小幅に続伸。原油価格は続落。

本日の注目イベント


豪   豪9月住宅建設許可件数
豪   豪4-6月期経常収支
豪   RBA、キャッシュターゲット
日   7月失業率
中   8月財新製造業PMI
独   独8月製造業PMI(改定値)
独   独8月失業率
欧   ユーロ圏8月消費者物価指数(速報値)
欧   ユーロ圏8月製造業PMI(改定値)
欧   ユーロ圏7月失業率
英   英7月消費者信用残高
米   8月ISM製造業景況指数
米   8月マークイット製造業PMI(改定値)
米    ブレイナード・FRB理事、バーチャル討論に参加


 ドル円は再び106円台に乗せる場面があり、円高ドル安材料があるものの、なかなか大きなドル安には至っていません。昨日のNY市場ではユーロドルで「ドル安ユーロ高」が進み、ユーロドルは1.19台半ばまで上昇しましたが、ドル円ではややドル高が進み、結局ユーロ円は一時126円84銭前後まで上昇。これは2019年3月以来、約1年半ぶりのユーロ高水準です。主要3通貨では、ユーロが最強で、円が最弱といった構図になったわけです。円は対豪ドルでも下落が続いています。

 豪ドル円は2019年4月29日以来の水準です。今年3月には60円を割り込む場面もありましたが、そこからすでに18円以上の円安が続いています。ドル円の水準はそれほど変わっておらず、むしろ円高方向で推移していますが、豪ドルが対米ドルで大幅に上昇していることが背景です。豪ドル米ドルは2018年12月3日以来となる0.74台まで買われています。中国への依存度が高いオーストラリアには逆風が吹いているにも拘わらず、豪ドル高が続いているのは、資源価格の上昇もありますが、中国がいち早くコロナから抜け出たことが豪ドル・米ドルのセンチメントを変えています。シカゴ通貨先物市場の建玉を見てもその傾向は明瞭で、4月中旬をボトムに同月下旬からは買い持ちの枚数が大きく増えています。その増加推移と豪ドル米ドルのチャートを重ねると、動きはほぼ一致しています。

 ただ、中国景気との関係が強い豪ドルですが、オーストラリアと中国との関係はこれまでで最も険悪な状況と言えます。新型コロナウイルスの感染拡大がオーストラリアにも押し寄せた際、オーストラリア政府は中国に対して徹底した調査結果を要求したことで、中国から反発をかったことがきっかけとなり、その後中国はオーストラリアからの牛肉の輸入にストップをかけています。さらに昨日は、中国当局が同国国営テレビ局に勤めるオーストラリア国籍のニュースキャスターを拘束しているとオーストラリアのペイン外相が発表しました。ABCテレビによると、同キャスターは訴追されてはいないものの、指定された場所で監視下に置かれており、弁護士その他の支援を得られずに、最長6カ月拘束される可能性があるとブルームバーグは報じています。オーストラリアと中国との関係は一段と悪化する可能性があります。

 クラリダFRB副議長は31日、オンラインイベントで講演を行い、「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」と述べ、米国債利回りに目標を設けるイールドカーブコントロール(YCC)を将来に導入する含みを残す発言を行いました。これまでFOMCメンバーの多くがYCCに言及してきましたが、「時期尚早」といった言葉で否定的な発言が相次ぎました。重要メンバーの一人である副議長が導入に含みを持たせる発言を行ったのは、記憶の限り初めてです。

 また昨日はアトランタ連銀のポスティック総裁の発言も伝えられていますが、同総裁は「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」と述べ、フォワードガイダンスの拡充には時期尚早との認識を示しています。

 本日はISM製造業景況指数の結果次第で、米景気の回復度合いが判断でき、相場に影響を与える可能性があります。ドル円の予想レンジは105円40銭~106円30銭程度をとします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)