科研製薬 <4521> は整形外科・皮膚科領域を主力とする医薬品メーカーである。21年3月期第1四半期は薬価改定や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療機関への受診抑制の影響で減収減益だった。そして通期の減収減益予想を据え置いた。通期では研究開発費の増加も影響する見込みだ。
 
■皮膚科・整形外科領域を主力とする医薬品メーカー
 
 皮膚科・整形外科領域を主力とする医薬品メーカーで、農業薬品や飼料添加物、不動産賃貸(文京グリーンコート関連賃貸)なども展開している。
 
 主要製品は関節機能改善剤のアルツ、外用爪白癬治療剤のクレナフィン、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、創傷治癒促進剤のフィブラストスプレー、排尿障害改善剤のエブランチル、歯周組織再生剤のリグロス、腰椎椎間板ヘルニア治療剤のヘルニコア、およびジェネリック医薬品である。
 
■開発パイプライン
 
 免疫系、神経系、感染症の3領域を柱として、自社創薬基盤を拡充・融合し、開発パイプライン充実を推進する。外用爪白癬治療剤のクレナフィンの海外展開では、香港で導出先のメインライフ社が承認を取得し、販売を開始した。
 
 21年3月期第1四半期末時点の主要開発パイプラインの状況は、原発性腋窩多汗症を適応症とするBBI-4000(米国ブリッケル・バイオテック社から導入)が製造販売承認申請中、熱傷焼痂除去を適応症とするKMW-1(メディウンド社から導入、海外製品名NexoBrid)が第3相段階、アタマジラミ症を適応症とするKAR(イベルメクチン)(アーバー社から導入)が第3相準備中、爪白癬症を適応症とするKP-607(自社創薬)が第2相段階である。
 
 提携先が治験中の案件として、レナバサム(コーバス社から導入)は、コーバス社が全身性強皮症を適応症として国際共同第3相段階、皮膚筋炎を適応症として国際共同第3相段階である。尋常性乾癬を適応症とするKP-470(自社創薬)は、導出先のボシュ・ヘルス社の治験が完了し、他の適応症での開発を同社と協議中である。
 
■21年3月期1Q減収減益、通期減収減益予想据え置き
 
 21年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比19.1%減の180億70百万円、営業利益が25.0%減の50億31百万円、経常利益が23.9%減の52億49百万円、純利益が20.8%減の38億20百万円だった。
 
 薬価改定や新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療機関への受診抑制の影響で減収減益だった。研究開発費は2.3%減の15億73百万円だった。特別利益には固定資産売却益2億43百万円を計上した。
 
 主要医薬品の売上はアルツが31.2%減収、クレナフィンが16.1%減収、セプラフィルムが8.2%減収、フィブラストスプレーが15.4%減収、エブランチルが3.8%減収、リグロスが9.9%減収、ヘルコニアが8.2%減収、ジェネリック医薬品が21.1%減収だった。農業薬品は前年並みだった。
 
 21年3月期通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が20年3月期比7.1%減の829億円、営業利益が21.5%減の208億円、経常利益が21.3%減の212億円、純利益が22.6%減の150億円としている。配当予想は20年3月期と同額の150円(第2四半期末75円、期末75円)である。
 
 薬価改定や新型コロナウイルス感染症拡大に伴う医療機関への受診抑制の影響、および研究開発費の増加(27.8%増の82億円の計画)などで減収減益予想としている。
 
 主要医薬品の売上計画はアルツが14.2%減収、クレナフィンが1.1%増収、セプラフィルムが0.6%増収、フィブラストスプレーが2.9%増収、エブランチルが1.5%減収、リグロスが17.1%増収、ヘルコニアが83.7%増収、ジェネリック医薬品が7.3%減収としている。
 
 なお新型コロナウイルス感染症の流行拡大が減速または収束した場合でも、業績に一定期間継続して影響を及ぼす可能性があるとしている。研究開発活動への影響としては、一部の医療機関において治験業務の遅延等が発生しているが、現時点でスケジュールに大きな遅延はないとしている。
 
 また5月22日発表の自己株式取得(上限60万株・35億円、取得期間20年5月25日~20年12月25日)については、20年7月31日時点で累計取得株式数20万4400株となっている。
 
 第1四半期の進捗率は、売上高が21.8%、営業利益が24.2%、経常利益が24.8%、純利益が25.5%だった。当面は新型コロナウイルス感染症に伴う医療機関への受診抑制の影響が懸念材料として意識される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)