中国では、コロナショックからの経済回復をめざし、「両新一重」といわれる「新型インフラ」(5G、IoT、AI、ビッグデータセンター、都市高速・軌道鉄道、新エネ車充電ポールなど)と「新型都市化」(都市インフラ建設、環境保護、戸籍制度改革、移住者の職業訓練や社会保障など)(=両新)、「重要インフラ」(交通インフラ、水利など)(=一重)への投資が強化されている。大和総研経済調査部主席研究員の齋藤尚登氏は8月21日、「中国:投資主導の景気回復と節約の大号令」と題したレポート(全8ページ)を発表し、中国経済の現状を分析した。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国経済は2020年1月~2月をボトムに回復が続いている。固定資産投資は1月~2月の前年同期比24.5%減(以下、変化率は前年同期比、前年比)から1月~7月には1.6%減へとマイナス幅が大きく縮小した。今後、インフラ投資で注目されるのは「両新一重」と呼ばれる、新型インフラと新型都市化に関連する投資、それに交通インフラや水利など重要インフラへの投資である。

◆小売売上は2020年1月~2月の20.5%減から1月~7月は9.9%減にマイナス幅が縮小したが、投資と比べて消費の回復は鈍い。習近平国家主席は8月11日、飲食の浪費行為の抑制と節約を美徳とする旨の重要指示を発出し、レストラン収入回復の逆風となるとみられている。浪費抑制・節約推進の主張はもちろん正しいのだが、問題はコロナ禍からの立ち直りのさなかというタイミングであることと、政治が主導して火の着いた運動は往々にして行きすぎるきらいがあることである。

◆今後も中国経済は投資主導で回復が続こう。2020年の実質GDP成長率は2.1%程度と、主要国が軒並み大幅なマイナス成長に落ち込むとみられる中で、プラス成長を維持しよう。2021年は7.1%程度と予想している。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)