ドル円は小幅に反落。新規失業保険申請件数が予想外に増加していたことで、米労働市場の回復には時間がかかるとの見方からドルが売られた。ドル円は105円75銭まで下落。ユーロドルも反落。1.18台は維持したものの、利益確定のユーロ売りと、独仏でのコロナ感染拡大が重石に。

 株式市場は3指数とも揃って上昇。テスラ株が上昇をけん引し、ナスダックとS&P500は連日の最高値更新。債券は反発し、長期金利は0.65%台に低下。金は大幅に続落。原油も反落。

新規失業保険申請件数       → 110.6万件
8月フィラデルフィア連銀景況指数 → 17.2
7月景気先行指標総合指数     → 1.4%

ドル/円   105.75 ~ 106.04
ユーロ/ドル 1.1803 ~ 1.1865
ユーロ/円  125.08 ~ 125.53
NYダウ   +46.85 → 27,739.73ドル
GOLD   -23.80 → 1,946.50ドル
WTI    -0.35  → 42.58ドル
米10年国債 -0.029 → 0.651%

【本日の注目イベント】

日  7月消費者物価指数
独  独8月製造業PMI(速報値)
独  独8月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値)
英  英8月製造業PMI(速報値)
英  英8月サービス業PMI(速報値)
英  英7月小売売上高
米  7月中古住宅販売件数
米  8月マークイット製造業PMI
米  8月マークイットサービス業PMI
米  8月マークイットコンポジットPMI
加  カナダ6月小売売上高

 ドル円は106円台が維持できず小幅に反落しましたが、基本的には動きもなく静かな1日でした。発表された新規失業保険申請件数が予想外に増加していたことが手掛かりとなり、金利が低下したことでややドルが売られた格好です。申請件数は前週より13万5000件増えて、110万6000件でした。市場は92万件の予想だったことで、労働市場の回復には時間がかかるといった見方が強まり結局、前日公表されたFOMC議事録の内容が正当化された形になりました。ただ、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は依然として強気の見方を維持し、FOXとのインタビューで、「米経済は、第3、4四半期それぞれ20%以上成長する」との予想を示しています。

 大規模な追加景気対策を巡って米議会では与野党の対立が続いていますが、民主党穏健派の下院議員らがペロシ下院議長に対し、暗礁に乗り上げている共和党との協議を再開するよう圧力を強めていると、ブルームバーグが報じています。米激戦区選出の、財政規律を重視する民主党議員26人からなる「ブルードッグ連合」は、ペロシ下院議長とシューマー民主党院内総務らに対し書簡で、「下院が米郵政公社を保護する法案の今週末の採決を準備する中で、この公衆衛生・経済危機の規模に見合う新型コロナウイルス感染症第5次救済パッケージに関する超党派の両院交渉を再開するよう要請する」としており、20日に送付される予定とのことです。

 追加の景気対策はその規模を巡って両党が折り合わず、今月中の合意は微妙な状況になっています。また本日より開催される共和党全国大会を前に、トランプ大統領は、2020年大統領選で再選された場合、海外から国内に雇用を戻すことを拒否する企業に関税を課すと警告しました。トランプ氏は遊説先のペンシルベニアでのイベントで、「米国に雇用を戻す企業には税額控除を与え、そうしない企業にわれわれは関税を課す。多額の支払いが必要になるだろう。それでは彼らはどうするだろうか。雇用を戻すことになろう」と語っています。新型コロナウイルス感染拡大により、製造業に従事するブルーカラーの失業率は高まっています。特に「ラストベルト」と言われるミシガンやオハイオ州などでは、自動車メーカーが販売不振に陥っており、大規模なレイオフが実施されています。この日のトランプ氏の発言は、大統領選を前に、これらブルーカラーを意識した発言かと思われますが、現時点では詳細は分かっていません。

 ドル円は104円台~107円台でのレンジが続くと予想しています。ドルの上値の方が「より重い」とは見ていますが、それでも今週目の当たりにしたように、105円近辺や、さらに下方の104円近辺ではドル買い需要も見受けられます。上値も下値も、その壁を突き破るだけの決定的な材料がないというのがその理由ですが、9月に入ればコロナの感染状況も変化し、中銀による金融政策の見通しもより明確になってくるかと思われ、ドル円も上記レンジを抜ける可能性が出て来ます。またその頃には、米大統領選の予測に関する報道も相場により影響を与えるようになると思います。現時点で「バイデン氏有利」は動かないところですが、トランプ氏との差は徐々に詰まってきており、専門家の予想では、「隠れトランプも5%ほどいる」との見方もあります。だとすると、バイデン氏との支持率の差は2~3%程度となり、2016年のトランプ氏勝利もそうでしたが、結果は最後まで分からないということです。

 本日のドル円予想レンジは105円30銭~106円20銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)