綿半ホールディングス <3199> はホームセンター中心の小売事業、および建設事業、貿易事業を展開している。21年3月期は利益を上方修正して2桁増益予想としている。新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要で小売事業が好調だ。建設事業の着工遅れで下期を保守的な見込みとしているが、通期再上振れ余地がありそうだ。株価は年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
 
■小売事業、建設事業、貿易事業を展開
 
 ホームセンター中心の小売事業、および建設事業、貿易事業を展開している。20年3月期のセグメント別売上高構成比は小売事業65%、建設事業31%、貿易事業4%、その他0%、営業利益構成比(調整前)は小売事業43%、建設事業29%、貿易事業24%、その他3%だった。なお20年6月には長野県SDGs推進企業に登録された。
 
■小売事業はEDLP×EDLC戦略を推進
 
 小売事業は、綿半ホームエイドが長野県を中心にスーパーセンター業態とホームセンター業態、綿半フレッシュマーケットが愛知県を中心に食品スーパー業態、綿半Jマートが関東甲信越エリアにホームセンター業態を展開している。
 
 18年12月家電・パソコン通販サイト「PCボンバー」運営のアベルネットを子会社化(20年6月綿半ドットコムに社名変更)、19年4月長野県内で「お茶元みはら胡蝶庵」を展開する丸三三原商店を子会社化(19年11月綿半三原商店に社名変更)、19年8月戸建木造住宅FC事業を展開するサイエンスホーム(浜松市)を子会社化した。
 
 M&Aも活用したエリア拡大と売場面積拡大、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)×EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略、綿半パートナーズによるグループ商品仕入原価低減とPB商品共同開発・相互供給、全社を一本化する新基幹システムの導入と物流改革などを推進している。
 
■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み
 
 建設事業は、綿半ソリューションズが建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開し、長尺屋根工事および自走式立体駐車場工事を強みとしている。
 
 長尺屋根工事では工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行うWKカバー工法で特許を取得し、自走式立体駐車場工事では柱の少ない「ステージダブル」など国土交通省の認定を多数有している。
 
■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを輸入販売
 
 貿易事業は、医薬品・化成品向け天然原料輸入専門商社の綿半トレーディングが展開している。
 
 ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など特定分野に強みを持ち、製造部門はHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。
 
■21年3月期は利益を上方修正して2桁増益予想、さらに再上振れ余地
 
 21年3月期の連結業績予想(7月30日に第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正)は、売上高が20年3月期比0.1%増の1202億77百万円、営業利益が11.9%増の29億50百万円、経常利益が13.7%増の32億円、純利益が24.1%増の18億85百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の34円(期末一括)である。
 
 建設事業の鉄構部門が下期に新型コロナウイルス影響で工期遅れが見込まれるが、巣ごもり需要で小売事業の高利益率商品(DIY用品、園芸用品など)が想定以上に伸長し、感染予防策としてのチラシ配布中止や、出張中止による経費減少も寄与して2桁増益予想とした。
 
 第1四半期は、売上高が前年同期比7.0%増の301億90百万円、営業利益が5.3倍の13億66百万円、経常利益が5.2倍の14億36百万円、そして純利益が6.4倍の9億86百万円だった。
 
 小売事業が巣ごもり需要、サイエンスホーム連結、綿半スーパーセンター中野店リニューアルオープンで7.9%増収、3.2倍増益と牽引した。建設事業は0.9%減収だが、工事採算改善や出張経費の減少で黒字化した。貿易事業は販売先からの前倒し出荷要請で31.0%増収、20.4%増益と伸長した。
 
 なお第2四半期累計予想は売上高が前年同期比1.6%増の597億85百万円、営業利益が89.3%増の17億70百万円、経常利益が86.4%増の18億89百万円、純利益が2.1倍の11億39百万円としている。工期遅れで建設事業の売上・利益が落ち込むため下期を保守的な見込みとしているが、通期再上振れ余地がありそうだ。
 
 なお小売事業の月次売上(速報値)を見ると、20年7月は全店が99.4%、既存店が99.7%だった。巣ごもり消費でDIY・インテリア・ペット用品が好調だったが、梅雨の長期化で食品・飲料、行楽用品、季節家電がやや低調だった。20年4月~7月累計では全店103.3%、既存店103.7%となった。
 
■景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を目指す
 
 中期ビジョンでは基本方針に「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」を掲げ、多様性のある経営人財の育成、IT化推進による経営改革、M&A推進のための財務体質強化、長期を見据えた海外展開の準備に取り組んでいる。
 
 中期経営計画では、目標値に22年3月期売上高1200億円(小売事業790億円、建設事業350億円、貿易事業58億円、その他2億円)、経常利益32億円を掲げている。小売事業は既存店売上を維持しながらネット通販など販売手法の多様化を推進し、コスト面では新決済システムや物流改革による効率化を推進する。新規出店は3年間で売場面積4500坪拡大を目指す。建設事業は新製品開発や工場ロボット化による生産性向上、貿易事業は天然原料の新製品投入や販路拡大で収益力向上を目指す。
 
■株主優待制度は9月末の株主対象、優待内容を拡充
 
 株主優待制度は、毎年9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、信州特産品や綿半ホームエイドPB商品詰め合わせなど(1点選択)を贈呈する。なお20年9月末対象から継続保有を対象条件に追加(詳細は会社HP参照)する。また優待内容の拡充を発表(7月21日)している。
 
■株価は上値試す
 
 株価は年初来高値更新の展開だ。3月の安値で底打ちして順調に水準を切り上げている。18年の高値から見ると戻り途上だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。8月18日の終値は2478円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS190円75銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想34円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1602円54銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約246億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)