松田産業 <7456> は、前日28日に23円高の1605円と5営業日続伸して引け、取引時間中には1651円まで買われ今年1月7日につけた年初来高値1664円に肉薄した。同社株は、8月7日に今2021年3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定していることから、期初に未定としていた今3月期業績の開示を先取り、ニューヨーク・マーカンタイル取引所で7月27日に金先物価格が一時、1トロイオンス=1941.90ドルと9年ぶりに史上最高値(1923.70ドル)を更新したことを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。同業他社のアサヒホールディングス <5857> が、この日も一時3255円と上場来高値を更新したことから、投資採算的にも値ごろ的にも比較感も働きキャッチアップ期待も高めている。
 
■前期1Q業績は高利益進捗し通期業績は2回も上方修正
 
 金やパラジュウムの貴金属価格の上昇は、貴金属リサイクル事業を展開する松田産業の大きな業績押し上げ要因となる。前2020年3月期業績も、昨年11月、今年5月と2回上方修正され売り上げ2109億7600万円(前期比1.3%増)、営業利益62億4100万円(同26.1%増)、経常利益63億8400万円(同25.3%増)、純利益40億4600万円(同19.3%増)と期初の微増益転換予想が2ケタ増益となった。今2021年3月期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に予想することは困難として未定としたが、配当については、年間36円(前期実績34円)と連続増配を予定している。8月7日発表予定の今期1Q決算について、前期1Q業績が、金先物価格の上昇で2ケタ増益で着地し第2四半期予想業績に対して高利益進捗率となっており、この再現とともに、未定としていた今期通期予想業績の開示期待を高めている。
 
 その金先物価格は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)を背景としたリスクオフ(回避)の安全資産買いで今年3月16日に一時突っ込んだ1トロイオンス=1450.90ドルの安値から、7月27日には一時、2011年9月につけた史上来高値を更新した。7月27日夜の時間外取引では一時、1974.70円とさらに最高値を更新し、28日は8営業日続伸した。市場ではコロナ禍によるリスクオフの買いのほか、ドル安の進行、米中対立激化による地政学リスクも意識されて金先物価格の上昇観測が有力で、2000ドル~3000ドルの見方も強まっている。松田産業の業績にポジティブに影響してくる展開が想定される。
 
■PER・PBRとも同業他社のアサヒHDに出遅れキャッチアップ
 
 株価は、前期第3四半期の好決算に反応して年初来高値1664円をつけ、新型コロナウイルス感染症の影響で同安値1100円まで調整し、前期業績の再上方修正、今期配当の連続増配、自己株式取得などを手掛かりに1449円まで底上げし、その後の25日移動平均線水準固めから1600円台に乗せてきた。PERは前期実績ベースで10倍台、PBRは0.69倍と同業他社のアサヒHDの実績PER12倍台、PBR1.79倍に対して割り負けており、株価ヒストリカル的にもアサヒHDがすでに上場来高値を更新しているのに対して上場来高値が4370円とまだ天井が高く出遅れ感がある。年初来高値抜けから2018年1月高値2116円を目指し、アサヒHDにキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)