ドル円は反発。今週前半と同じような動きを見せ、106円台後半から107円台を回復し、107円40銭まで上昇。ユーロドルは小反落。1.1370まで売られる。復興基金を巡る議論では、大枠は維持されるものの、合意には至らないとの見方が台頭。

 株式市場は揃って反落。IT株を中心に売られ、ダウは135ドル安。債券相場は反発。長期金利は0.61%台へ低下。金と原油は共に下げる。

6月小売売上高          → 7.5%
新規失業保険申請件数       → 130万件
7月フィラデルフィア連銀景況指数 → 24.1
7月NAHB住宅市場指数     → 72

ドル/円   107.05 ~ 107.40
ユーロ/ドル 1.1370 ~ 1.1442
ユーロ/円  122.07 ~ 122.50
NYダウ   -135.39 → 26,734.71ドル
GOLD   -13.50  → 1,800.30ドル
WTI    -0.45   → 40.75ドル
米10年国債 -0.013  → 0.617%

【本日の注目イベント】

欧  ユーロ圏6月消費者物価指数
欧  臨時EU首脳会議(18日まで)
英  BOE総裁、オンラインセミナーで講演
米  6月住宅着工件数
米  6月建設許可件数
米  7月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米  企業決算 → ブラックロック

 やはりドル円は先週末から今週月曜日と同じ動きを見せ、NY市場では107円台を回復しています。株が売られ、債券が買われたことで長期金利が低下し、ややリスクオンの流れが後退したことで、ドルが買われた・・・・。そんなイメージです。今後、例えば米国株の急落をきっかけに、日本株など、世界同時株安が発生した際、昨日のように素直にドルを買っていいものか、確信が持てません。リスクオフが急速に高まれば、やはり円が買われ円高が進行するといったイメージは、完全には払拭できません。この辺りが、レンジ相場と割り切れば「比較的見通しがつきやすい相場展開」が続いているにも拘わらず、難しいところと言えます。

 ブルームバーグは、「トランプ政権の中国批判ステージに、今度はバー司法長官が登壇した」と伝えています。バー長官は、「中国はディズニーやアップルなどの米大手企業を自らの手先として操り、米国を犠牲にして影響力を強め、富を増やしている」と非難し、「米企業は何を危険にさらしているのか、理解しなければならない」と述べています。バー長官はこのほか、中国は米国の企業や大学から新型コロナワクチンの研究を盗もうとしているとの認識も示しています。

 新型コロナウイルスの感染拡大は、日本でも第2波の勢いが広がり、昨日東京都では新たに286人の感染が確認され、過去最多を更新しています。特徴的なことは、若年層だけではなく、高齢者も含め広い範囲に感染が広がり、いわゆる「夜の街」関連だけではなくなったことが挙げられています。来週から始まる「GOTOキャンペーン」は、東京都発着を対象からはずして実施するようですが、重症者や死者の数が少ないとはいえ、これほど感染が拡大してきている中、どれほどの国民が旅行に出かけたいと思うのか、疑問です。新型コロナウイルスの感染は米国では依然として予断を許さず、テキサス州では1日で過去最多となる1万1126人の新規感染者が報告され、カリフォルニア州でも過去2番目の多さを記録し、ロスアンゼルス郡の入院者は過去最多を更新しています。また、オーストラリアのビクトリア州でも16日、新型コロナの感染者が過去最多を更新し、1週間前に部分的な制限措置を導入しています。(ジョーンズホプキンス大学調べ)

 このような状況の中、昨日米国で発表された経済データは概ね市場予想を上回っていましたが、失業保険申請件数は130万件と、先週よりも1万件減少していましたが、市場予想よりも悪化しており、依然高水準で推移しています。経済活動は再開されたものの、労働市場の回復が思ったほど進んでいないことを示す証左とも見られます。これらのデータを踏まえ、FRBメンバーの幾人かは景気の先行きに揃って慎重な見方を示しています。シカゴ連銀のエバンス総裁は、「下振れリスクが心配だ。これを考慮して政策を調整する必要があるだろう」と述べ、NY連銀のウイリアムズ総裁は、「非常に困難な状況を踏まえれば、出口戦略に集中して考える時期ではない」と語っています。また、アトランタ連銀のボスティック総裁も、「新型コロナ感染の拡大で、消費者はより消極的になっている」と述べ、マイナス金利の可能性については、「答えはノー」だと断言しました。(ブルームバーグ)

 ECBは16日理事会を開き、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を1兆3500億ユーロ(約160兆円)に据え置き、中銀預金金利をマイナス0.5%に維持することを決めました。理事会後の記者会見でラガルド総裁は、「実際及び予想される雇用や所得の喪失と、パンデミックの展開と景気見通しを巡る異例に高い不確実性が、引き続き個人消費と企業投資の重しとなっている」と指摘し、「十分な金融緩和が依然として必要だ」と述べていました。また、主要中銀トップの常套句になりつつありますが、「責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ることに、引き続き完全にコミットしている」と、必要なことは何でもやるといった姿勢を見せていました。

 新型コロナの感染阻止と景気の底割れ阻止といった、相反する政策の戦いはこれからも続きます。梅雨明けも間もなくでしょうが、今年は梅雨明け後の「夏休み」を心待ちにしている人は少ないかもしれません。今年の夏は例年とは大きく異なりそうです。

 本日のドル円は106円80銭~107円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)