ドル円は依然として小動き。NYではややドル買いが優勢だったものの、107円71銭止まり。値幅も20銭強と、107円台を上にも下にも抜け切れない展開が続く。ユーロドルはドイツの経済指標を受け、やや水準を切り下げる。

 株式市場は3指数とも揃って反落。コロナに対する警戒感が利益確定の売りにつながり、ダウは396ドル安。債券相場は上昇。長期金利は0.64%台へと低下。金は続伸し再び1800ドル台に。原油は横ばい。

ドル/円   107.50 ~ 107.71
ユーロ/ドル 1.1270 ~ 1.1307
ユーロ/円  121.10 ~ 121.71
NYダウ   -396.85 → 25,890.18ドル
GOLD   +16.40  → 1,809.90ドル
WTI    -0.01   → 40.62ドル
米10年国債 -0.036  → 0.640%

本日の注目イベント

日  5月貿易収支
日  5月国際収支
日  6月景気ウオッチャー調査
米  5月消費者信用残高
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁、オンライン討論に参加

 新型コロナウイルスの感染者数が162万人を超え、死者の数も6万5000人に及び、世界で米国に次ぎ2番目の被害規模に上るブラジルのボルソナロ大統領が、新型コロナの検査で陽性だったことが判明しています。同大統領はこれまで、新型コロナを「ただのインフルエンザ」と呼び、経済再開を第一に進めてきた経緯があります。自身、マスクを着用せず、握手をかわすなど、新型コロナへの対応に一貫性を欠いたことで、ブラジルで感染が急拡大したとも言われています。もっとも、ボルソナロ氏はCNNブラジルとのライブインタビューで「私は完全に健康だ」と述べており、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」を服用しているとも述べていますが、同薬はボルソナロ氏が新型コロナ治療には有効だと推奨してきましたが、世界の大半の専門家は使用の正当性を認めず、危険な副作用が生じる恐れがあると警告しているようです。(ブルームバーグ)

 ドル円は107円台半ばを中心にもみ合いが続いていますが、昨日はNY株が下げ、長期金利もさらに低下しているにも拘わらず、ほぼ昨日の東京時間と同じレベルで推移しています。株式市場や商品市場では連日そこそこの動きが確認されていますが、為替市場は「蚊帳の外」といった状況が続いています。今週は特に重要な経済指標もなく、新型コロナの感染拡大に対してもやや反応が鈍くなっている、というか感染拡大に慣れてきた印象もあります。

 オーストラリア準備銀行(RBA)は昨日の政策委員会で、政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を0.25%に据え置くことを決めました。RBAのロウ総裁は政策決定後の会見で、「不況は以前の予想よりも深刻ではなく、最近の状況は安定している」と述べています。一方でオーストラリアでは2番目に人口の多いビクトリア州では昨日、メルボルン大都市圏を6週間ロックダウンすることを発表しており、景気は最悪期を超えたとするRBAの認識はあるものの、先行きに不透明感は残ります。豪ドル円はロックダウンの発表を受けて74円台後半から半ばまで売られる場面もありましたが、その後は回復し、安定した動きを見せています。豪ドル円は6月には76円台後半まで上昇しましたが、「週足」の120週線移動平均線に抑えられ、その後は72-75銭でもみ合っています。下値は確実に切り上がっています。先ずは目先のレジスタンスである75円台半ばを抜き、上記120週移動平均線のある76円50-70銭をしっかりと抜ければ、もう一段の上昇も見込める可能性がありますが、それには、ドル円が109円を超える必要もありそうです。まだしばらくは、73-76円のレンジ相場が続くと予想します。

 「WHOは中国寄りだ」、「新型コロナウイルスに関する正確な情報を提供しなかった」と、WHOの行動を批判していたトランプ大統領でしたが、米政府はWHOを来年7月6日に脱退することを国連に正式に通告しました。上院外交委員会の民主党筆頭理事は、「脱退しても米国民の命も利益も守られない。米国の流行は続き、米国は孤立する」とトランプ政権の決定を批判し、11月の米大統領選でバイデン氏が当選した場合、トランプ政権のWHO脱退決定を撤回するのはほぼ確実だとしています。オバマ前大統領の実績をほとんどひっくり返してきたトランプ大統領でしたが、もしバイデン氏が勝利すれば、再びひっくり返されることになります。2大政党制の米国では、民主、共和両党が入れ替わりで政権を担うことになりますが、それでも前政権を尊重する姿勢は保たれ、今回のトランプ政権のように相手を口汚くののしる行為は慎んできました。米国の分断はかなり深刻な状況と言えるかもしれません。

 本日にドル円は107円20銭~107円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)