好調な経済指標の結果にドル円は107円62銭まで上昇。その後はコロナ感染への警戒感から107円台前半まで下落。ユーロドルは前日と同じような展開の中、1.1228まで売られ、下値をやや切り下げる。

 株式市場は揃って3日続伸。5月の小売売上高が過去最大の増加率を示すなど、経済指標が概ね回復基調を見せたことが好感された。ダウは526ドル上昇し、2万6000ドル台を回復、債券相場は3日続落。長期金利は0.75%台に。金は反発。原油はIEAの需要予測を材料に続伸。

5月小売売上高      → 17.7%
5月鉱工業生産      → 1.4%
5月設備稼働率      → 64.8%
6月NAHB住宅市場指数 → 58

ドル/円   107.22 ~ 107.62
ユーロ/ドル 1.1228 ~ 1.1319
ユーロ/円  120.48 ~ 121.50
NYダウ   +526.82 → 26,289.98ドル
GOLD   +9.30   → 1,736.50ドル
WTI    +1.26   → 38.38ドル
米10年国債 +0.031  → 0.753%

【本日の注目イベント】

日  5月貿易収支
欧  ユーロ圏5月消費者物価指数
欧  OPEC 月報
英  英5月消費者物価指数
米  5月住宅着工件数
米  5月建設許可件数
米  パウエル・FRB議長、下院銀行委員会で証言
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演
加  カナダ5月消費者物価指数

 日米の株価の上昇でドル円が上昇するも、コロナ感染第2波への警戒感からドルが売られるといった展開で、強弱の材料が綱引き状態といったところです。昨日は日経平均株価が後場に急伸し、前日の大幅な下げを帳消しにして余りある、1051円の上昇でした。トランプ政権が1兆ドル(約107兆円)のインフラ投資を計画しているというニュースが好感され、このニュースで上げ幅を拡大した印象です。昨日のNY市場でも、好調な経済データを手掛かりに米国株は大幅に上昇し、これで3日続伸となりました。ドル円も株価と長期金利の上昇に107円62銭まで買われましたが、コロナ感染への警戒感が上値を抑え、結局、昨日と同じ水準で帰ってきました。因みに、世界のコロナウイルスの感染者の数は800万人を超え、今後はインドで急増するとの予側もあります。

 半期に一度行う議会証言で、パウエル議長は全体的に慎重な景気見通しを維持したといった印象です。議長は、米国の雇用が顕著な回復期に入りつつある可能性があると指摘しながらも、回復しても、新型コロナウイルス感染症がパンデミックとなる前の高い水準には「遠く及ばない」という認識を示し、「われわれの考えでは、また全員とは言わないまでも大半の予想もそう考えていると思うが、回復しても2月時点の水準には遠く及ばないだろう」と述べました。また、「回復の時期と力強さに関しては著しい不透明感が残っている」とし、景気の先行きに慎重な見方を示していました。質疑応答で、低所得層や黒人に対する経済面での不平等や失業率について問われた議長は、「雇用喪失の影響が低所得層とマイノリティーに不釣り合いな割合で集中している。経済的余裕の最も少ない人々が、経済的な痛みを最もひどく受けている」と指摘しています。

 一方この日はクラリダFRB副議長の講演もあり、副議長は、「新型コロナによる混乱は物価全般に下押し圧力をかけている」と述べ、インフレ期待を落ち着かせる政策の「優先度は高い」と指摘しています。(ブルームバーグ)

 河野防衛大臣が突然「イージス・アショア」の計画一時停止を発表したことが話題になっています。「ブースターの住民地区への落下を今の段階では排除できない」というのが、その理由のようですが、だとしたら、これまで住民側に「コントロールできる」とした説明は何だったんでしょうか。さらにタイミングの悪いことに、昨日北朝鮮はケソンにある南北連絡事務所を爆破し、朝鮮半島で再び緊張が高まっています。韓国側もこれに対して強い遺憾を表明し、「状況を悪化させる措置を続ければ、われわれは強力に対応すると厳重に警告する」と、これまでとは異なる言い回しで声明を出しています。昨年の米朝首脳会談や南北首脳会談の実現で、ようやく朝鮮半島にも春が訪れるのではといった期待もありましたが、再び緊張が高まってきました。今後両国がさらエスカレートするようだと、地政学的リスクの高まりから円が買われる事態もないとは言えません。コロナ、米国内での抗議デモに加え、朝鮮半島の動きにも目配りが必要になってきました。

 本日のドル円は107円~107円70銭程度のレンジを予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)