米国のNYSE(ニューヨーク証券取引所)やNASDAQに上場していた中国企業の中国市場への回帰が目立っている。NASDAQに上場している中国のゲーム第2位の網易(ネットイース、09999)が11日に香港メインボードに重複上場、18日には同じくNASDAQ上場の大手ECサイト京東(JD.com、09618)が香港メインボードに上場する。米中対立の深刻化によって、米国は米国市場に上場する中国企業への締め付けを強めており、検索大手の百度(BIDU、NASDAQ)も香港への重複上場を検討していると伝えられている。

 5月20日に米国上院が米国の上場基準に3年連続で米公開会社会計監督委員会の監査基準を順守していることを求める法案を可決するなど、名指しこそしていないものの中国企業を標的にした規制強化を強めている。企業会計の不正については、今年4月にNASDAQに上場する中国のラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)に不正会計が発覚し、株価が急落。4月7日から5月20日まで市場取引を停止したばかり。NASDAQは新たに「海外企業は新規株式公開(IPO)時に、最低でも2500万ドル(約26億円)、または時価総額の25%相当の金額を投資家から調達するよう義務付ける」という新規上場ルールを導入する計画を明らかにしているが、このルールに抵触するのも中国企業が多いといわれている。

 米国に上場する中国企業の中では、19年11月26日にNYSEに上場する阿里巴巴集団(アリババ、09988)が香港メインボードに上場した。アリババは募集上限価格188香港ドルに対し公募価格は176香港ドルで決定。初値が187香港ドルとなり、今年1月には227.4香港ドルの高値を付け、現在も212香港ドル台と堅調な株価を続けている。

 新たに香港への重複上場を予定する網易(ネットイース)は募集上限価格が126香港ドルに対し、公募価格は123香港ドルで決まった。京東(JD.com)は236香港ドルを上限に公募価格が決定する。これら企業の上場の状況は、百度などの計画にも影響があると考えられる。あいにく、6月のIPOは決済プラットフォームの移力(YEAHKA)が公募価格を10%下回る初値で生まれて以来、3銘柄連続で公募価格を2ケタマイナスする価格で新規上場されるなど、上場環境は良くない。この逆境を跳ね返すことができるか、11日の上場を待ちたい。(イメージ写真提供:123RF)