5月22日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で、李克強首相は政府成長率目標を提示しなかった。大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は5月22日に「中国経済見通し:全人代、アクセルは慎重に」と題したレポート(全10ページ)を発表し、「高い目標設定がなされるよりは好ましい」と評価した。レポートの要旨は以下の通り。

◆5月22日に第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議が開幕し、李克強首相が政府活動報告を行った。注目された政府成長率目標は、提示されなかった。コロナ・ショックという未曽有の難局の中、目標設定ができなかったのであろうが、大和総研は高い目標設定がなされるよりは好ましいと評価している。リーマン・ショック後のような収益性の低い投資の膨張や、金融リスク増大の可能性が大きくは高まらないと期待できるためである。

◆インフラ投資などに充当される地方政府特別債券のネットの発行額は3.75兆元と、2019年予算2.15兆元から1.6兆元の純増となり、13年ぶりに発行される特別国債は1兆元とされたが、いずれも事前予想を下回った。中国の実質GDP成長率について、大和総研は4月~6月はマイナス幅こそ縮小するものの2四半期連続の前年割れを想定している。年後半の成長率はプラスに転換しようが、年間の成長率はゼロ近傍となろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)