テクマトリックス <3762> は、セキュリティ関連製品販売やクラウドサービス提供などの情報サービス事業を展開し、クラウドサービスに注力している。21年3月期の連結業績・配当予想は新型コロナウイルスで不透明感が強いとして未定としている。ただし新型コロナウイルスによる業績への直接的な影響は限定的だろう。収益拡大を期待したい。株価は急伸して上場来高値を更新する展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
 
■クラウドサービスに注力
 
 セキュリティ関連製品販売やクラウドサービス提供などの情報サービス事業を展開し、クラウドサービスに注力している。
 
 グループ会社は、医療情報クラウドサービスのNOBORI(三井物産 <8031> が出資して共同で事業展開)、遠隔画像診断関連ITサービスの医知悟、NOBORIの子会社(19年4月子会社化)でクラウド型線量管理システムのA-Line、ITシステム基盤コンサルティングのクロス・ヘッド、クロス・ヘッドの子会社で沖縄県内におけるIT人材教育やデータセンターサービスの沖縄クロス・ヘッド、システム開発のカサレアル、金融系ITベンチャーの山崎情報設計(19年11月子会社化)である。
 
 20年3月期のセグメント別売上高構成比は、情報基盤事業(ネットワーク・セキュリティ関連ハードウェアの販売)が67%、アプリケーション・サービス事業(医療・CRM・EC・金融を重点分野とするクラウドサービス提供およびシステム受託開発)が33%、営業利益構成比は情報基盤事業が75%、アプリケーション・サービス事業が25%だった。ストック売上比率は情報基盤事業が38.6%、アプリケーション・サービス事業が53.7%だった。
 
 クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fastシリーズ」や、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。20年3月期末の「NOBORI」の画像保管患者数は3118万7000人、保存検査件数は1億7779万4000件となった。
 
■中期経営計画で21年3月期営業利益27億円目標
 
 中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、目標数値に21年3月期売上高280億円、営業利益27億円(情報基盤事業の売上高が185億円で営業利益が17億50百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が95億円で営業利益が9億50百万円)を掲げている。
 
 事業戦略としては、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、セキュリティ&セイフティ(安心と安全)の追求、資本・業務提携や大学・研究機関との連携など事業運営体制の多様化、全領域におけるサービス化の加速、AI利用を含むデータの利活用、BtoC(消費者向けビジネス)への参入、海外市場での事業の加速、グループを横断した人財・技術の有効活用など事業運営基盤の強化、M&Aの活用を掲げている。
 
 なお19年4月NOBORIが日本メジフィジックスと業務提携、20年5月NOBORIがエムスリー <2413> と業務提携、NOBORIがDeepTekと資本業務提携した。
 
■21年3月期増収増益予想
 
 20年3月期連結業績は、売上高が19年3月期比12.3%増の285億53百万円、営業利益が25.2%増の30億28百万円、経常利益が28.3%増の30億18百万円、純利益が26.7%増の18億63百万円だった。配当は5円増配の30円(第2四半期末12円、期末18円)とした。
 
 計画を上回る増収増益で配当も増額した。また中期経営計画の21年3月期目標数値(売上高280億円、営業利益27億円)も達成した。高水準のセキュリティ投資需要などを背景に、ストック型ビジネス拡大戦略が奏功して情報基盤が12.1%増収で28.3%増益、アプリケーション・サービスが12.8%増収で16.6%増益と伸長した。販管費が計画を下回ったことや、事業構造改革の推進による採算性の改善も寄与した。
 
 21年3月期の連結業績・配当予想は新型コロナウイルスで不透明感が強いとして未定としている。ただし新型コロナウイルスによる業績への直接的な影響は限定的だろう。収益拡大を期待したい。
 
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
 
 株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象に、保有株式数に応じて実施(詳細は会社HP参照)している。
 
■株価は上値試す
 
 株価は急伸して上場来高値を更新する展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。5月22日の終値は3215円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS687円33銭で算出)は約4.7倍、時価総額は約716億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)