5月22日に中国全人代が開幕する。大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は18日、「中国:急回復は本物か?」と題したレポート(全6ページ)を発表し、全人代の注目ポイント等を解説した。レポートの要旨は以下の通り。

◆4月の鉱工業生産は前年同月比3.9%増(以下、変化率は前年同月比、前年同期比)、輸出は3.5%増となった。消費関連では自動車販売台数が22ヵ月ぶりの増加となり、固定資産投資のうちインフラ投資が4月単月で増加に転じるなど、中国経済は一部で明るさを増している。ただし、全体で見ると、内需の戻りは鈍い。4月の小売売上は7.5%減、固定資産投資全体では2.2%減と、いずれもマイナス幅は縮小したとはいえ、前年割れが続いている。完全復調にはまだ時間がかかりそうである。

◆5月22日に全人代が開幕し、本格的な景気浮揚策が打ち出されるとの期待が高まっている。地方政府特別債券の大幅増額など投資・企業向けの政策発動は既定路線である。もうひとつ、2019年末時点で551万人とされる貧困層をゼロにする公約が、全人代で掲げられる政府目標の中でどのように位置付けられるかにも注目している。コロナ・ショックで景気が失速する中で、今年は敢えて政府成長率目標を設定しない可能性がある。成長率目標の代替として、貧困撲滅を目標に掲げれば、投資への過度の依存を軽減できる可能性がでてこよう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)