中国の最高権力機関である全人代(全国人民代表大会)が5月22日から開催されることが決定した。大和総研経済調査部 主席研究員の齋藤尚登氏が4月30日に「中国:全人代開催決定、景気浮揚に舵切り」と題したレポート(全4ページ)を発表し、今回の全人代のポイントについて解説した。レポートの要旨は、以下の通り。

◆3月5日の開幕が延期されていた全人代は、5月22日に開幕することが正式に決定された。全人代開幕に漕ぎ着けたことは、新型肺炎との闘いにおけるひとまずの勝利宣言といえる。

◆全人代で政府成長率目標が何%に設定されるかが注目されるが、コロナ・ショックで景気が失速する中で、今年は敢えて成長率目標を設定しない可能性がある。代わりに貧困脱却を共産党統治の成果としてアピールするのではないか。

◆全人代ではインフラ投資のための地方政府特別債券の大幅増加、13年ぶりの特別国債の発行による景気刺激などが想定される。中国の景気浮揚策は投資、経済主体別には企業に偏重している。日本や米国では家計への現金給付が経済対策の目玉のひとつとなっているが、中国ではリーマン・ショック後の4兆元の景気対策の際も家計への直接支援をすることはなかった。今回は一部のシンクタンクからその必要性を提言する動きも出てきており、家計(消費)のサポートについて、今後どのように議論が深まっていくのかにも注目したい。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)