日本電気株式会社(NEC、東京都港区)は、住友商事株式会社(東京都千代田区)からベトナム向け地球観測衛星「LOTUSat-1(ロータスサット・ワン)」の開発・製造・打ち上げサービス調達と地上システムの整備、および衛星開発プロセスに関する現地人材育成プログラムを一括受注した。

  この契約は、日本企業が政府開発援助(ODA)基金を活用した初の地球観測衛星案件となり、国際協力機構(JICA)の本邦技術活用条件(STEP)に基づいて実現した。

  受注金額は約200億円、衛星の打ち上げは2023年を予定している。衛星システムの海外向け輸出はNECにとって初めてで、ベトナム国家宇宙センターに提供される。NECは、今回の受注を通してベトナムの自然災害への監視強化による被害低減や災害予測の高度化に貢献する。

  NECが受注した地球観測衛星は、合成開口レーダー(SAR)を搭載した人工衛星で、NECが長年にわたる人工衛星開発のノウハウを活用し、短納期・低コストかつ高機能を実現した標準衛星システム「NEXTAR(ネクスター)」をベースに開発する。現在、NECが保有し観測を継続しているレーダー観測衛星「ASNARO-2(アスナロ・ツー)」の同型機となる。

  また衛星の追跡・管制やミッション運用を担う地上システムは、直径9mのパラボラアンテナ、これまでの衛星管制・運用のノウハウをもとに開発したパッケージソフトウエア「GroundNEXTAR(グランド・ネクスター)」をベースとする衛星管制センター、衛星データ処理センター、ユーザインターフェースで構成される。このシステムは、ベトナム国家宇宙センターが整備・運用するハノイ市のホアラック宇宙センターに設置される。

  衛星の打ち上げは2023年、地上システムの整備は2022年から2023年を予定している。さらにNECは、衛星開発プロセスに関する技術移転の研修を日本で実施するなど、ベトナム人材育成を支援し、ベトナムの自然災害被害の監視能力向上や予測の高度化に貢献していく。(情報提供:VERAC)(イメージ写真提供:123RF)