1-3月の実質GDP成長率がマイナス6.8%に落ち込んだ中国経済は、経済対策によって浮上するのだろうか? 大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は4月21日、「中国:もたつく景気回復、20年はゼロ近傍に」と題したレポート(全8ページ)を発表し、20年の中国GDP成長率予想を下方修正した。マイナス成長もあり得るという見方だ。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国国家統計局によると、2020年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比マイナス6.8%(以下、変化率は前年比、前年同期比)に落ち込んだ。中国国内の新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)感染拡大は収束したが、中国政府は景気浮揚のためのゴー・サインをなかなか出せないでいる。(1)感染拡大抑制策を一気に緩めれば、ぶり返しが懸念されること、(2)新型肺炎の流行は全世界に拡大し、海外からの帰国者を中心に2桁の新規感染者数が続いていること、がその背景である。

◆4月~6月の景気急回復を期待する向きもあるが、経済活動の正常化にはまだ時間がかかりそうだ。大和総研は、4月~6月はマイナス幅こそ縮小するものの2四半期連続の前年割れを想定している。全人代が景気浮揚のスタートラインとなろうが、開催自体が思ったよりも後ずれをしている。年後半の成長率はプラスに転換しようが、年間の成長率はゼロ近傍となろう。2020年の成長率予想を従来の1.5%から0.1%に引き下げるが、マイナス成長もあり得るということだ。2021年は7.8%(従来予想は7.0%)程度と予想する。2021年の上方修正は、2020年がかつてない低成長にとどまる反動によるものである。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)