ドル円は107円台で堅調に推移。資源価格の下落からカナダ・ドルやノルウェー・クローネなどが対ドルで売られたことがドル円にも波及。107円89銭までドルが買われる場面も。ユーロドルは先週後半から続いている、1.08台でのもみ合いが続く。株式市場は大幅に続落。原油価格の下落が止まらず、ダウは631ドル安。一時は2万3000ドルの大台を割り込む。債券相場は続伸。長期金利は2週間ぶりに0.6%台を割り込む。金は反落。原油は中心取引の6月限が大幅に下落。前日マイナスに沈んだ5月限は反発して取引を終える。


ドル/円 107.37 ~ 107.89

ユーロ/ドル 1.0816~ 1.0881

ユーロ/円  116.30 ~ 117.16

NYダウ  -631.56  → 23,018.88ドル

GOLD   -23.40 → 1,687.80ドル

WTI  -8.86  → 11.57ドル

米10年国債 -0.036 → 0.569%


本日の注目イベント

トルコ トルコ中銀政策金利発表
欧   ユーロ圏4月消費者信頼感指数(速報値)
英   英3月消費者物価指数
米   2月FHFA住宅価格指数
米   企業決算 → AT&T、アルコア
加   カナダ3月消費者物価指数

 原油価格の混乱が新たな金融市場のリスクになってきました。前日、WTI原油先物市場で5月限が、最終取引日が迫ってきたことで大きく売られ、一時はマイナス40ドル台まで下落し、引け値でも初のマイナス価格になりました。さすがに取引最終日にあたる昨日は買い戻されプラスで終わりましたが、取引の中心である6月限は一時68%も下げる場面があり、売買停止措置が3回も発動されています。引け値では11ドル57セントです。このため、昨日のNY株式市場では株価が大きく下げ、長期金利も低下してきました。ドル円は107円台後半までドル高が進みましたが、これは、産油国通貨であるカナダ・ドルやノルウェー・クローネが対ドルで売られたことで、円も対ドルで連れ安したものです。ただ原油価格の下げは、米国のシェールオイル企業の経営を圧迫し、必ずしもドル高要因と見ることはできません。トランプ大統領は米国の石油・ガス産業を「落胆させることは決してしない」とツイッターで宣言し、資金面で支援する計画を策定するよう関係閣僚に指示したことを明らかにしています。(ブルームバーグ)

 フロリダ州やテキサス州など、一部の州での経済活動を段階的に再開した米国では、昨日は再び感染者が増加し、今月10日以来の大幅増になったようです。また、かつては感染の封じ込めに成功した代表国と伝えられたシンガポールでは、2日連続で1日当たりの新規感染者が1000人を超えています。同国は部分的なロックダウンをさらに4週間延長し、6月1日までとしたようです。日本でも「非常事態宣言」が発令されて2週間が過ぎましたが、感染者数が目に見えて減少したとは言えませせん。感染者数増加の中心である東京都ではやや減少しているようには見えますが、それでも連日100人を超えています。地方に至っては明らかに増加している状況です。1週間後にはGWに突入し、「非常事態宣言」の期限である5月6日もすぐです。巷では、期限が再度延長されるのかどうかが話題になってきました。政府は、「専門家と協議して判断する」としていますが、このままでは延長されるのは避けられないと考えるのは筆者だけではないと思います。やはり、コロナとの闘いは長期戦になると腹をくくっておくべきでしょう。

 連日コロナ関連のニュース一色でしたが、昨日は北朝鮮の金正恩委員長の健康に関するニュースが飛び込んできました。金委員長が心臓血管の外科手術を先週受け、その後危険な状態に陥ったという報道が流れました。その後の詳しい情報は入っていませんが、金氏の父であるキム・ジョンイル氏も70歳で亡くなっており、体形もよく似ていることを考えると、心臓に相当負担がかかっていると思われます。まだ若いということもあり、大事には至らないと思いますが、こちらの情報にも耳を傾ける必要がありそうです。万が一「重篤」との報が流れるようだと、市場は「ポスト・金正恩」を模索始めることになります。ドル円は107円台でのもみ合いが続いていますが、金融市場全体では上記原油価格の急落に伴い、再び暗雲が立ち込め始めています。日米とも株価が安定してきたことで、「VIX指数」もかなり落ち着きを見せていましたが、再び株価の下落がリスクオフ・モードを増幅しそうな気配です。リスクオフが再び強まれば、円が買われる可能性もありますが、それでも「リスクオフ=円買い」といった構図は、やや後退してきたかと思われます。「円も買われるけど、基軸通貨のドルも買われる」といったことも考えられます。日経平均のボラティリティーも上昇してきました。引き続き慎重に対応する必要があります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)