ドル円はさらに値幅が狭まり、107円台でのもみ合いが続く。107円台半ばを中心に、40銭程度の値幅に収まる。ユーロドルは上値の重い展開が続き、1.07-1.09台でのレンジが続く。

 株式市場では経済活動の再開が近いとの見方から大幅に続伸。ダウは704ドル上昇し、約1カ月ぶりの高値を付ける。債券相場は反落。長期金利は0.64%台に。金は続落。原油は大幅に下落し18ドル台に。コロナウイルスによる原油需要の減少が依然として材料に。

3月景気先行指標総合指数 → -6.7%

ドル/円   107.30 ~ 107.72
ユーロ/ドル 1.0845 ~ 1.0893
ユーロ/円  116.62 ~ 117.12
NYダウ   +704.81 → 24,242.69ドル
GOLD   -32.90  → 1,698.80ドル
WTI    -1.60   → 18.27ドル
米10年国債 +0.015  → 0.642%

本日の注目イベント

日  3月貿易収支
欧  ユーロ圏2月経常収支
欧  ユーロ圏2月貿易収支

 ドル円は一段と値動きが鈍くなり、先週末のNYでは107円台半ばを中心に値幅は40銭程度でした。107円前後では本邦機関投資家によるドル買い需要があるとの観測の一方、109円前後では円の先高感からドル売りも根強いようで、動きにくい展開になっています。日米金利差はほぼなくなっている状況で、今後の金融政策をにらんだ相場観も機能しない状況です。米国では新型コロナウイルスに対する大規模な経済対策で、財政赤字が急速に膨らみ、財政規律という意味では格下げのリスクも含めて、将来のドル安要因になる可能性があります。もっとも、大量の国債発行は本来金利上昇要因になり、米金利が上昇すればドル高が進むとの予測もできなくはありませんが、足元の長期金利は0.5%~0.8%程度の低位で安定して推移しており、FRBが大量の国債を購入していることで金利上昇が抑制されています。一部ではFRBによる「ヘリコプターマネーだ」と揶揄されているようです。

 トランプ大統領が米国内で一部の州が段階的に経済活動を再開すると発表したことが株価の上昇につながりました。NY州では19日発表された新型コロナによる死者数が507人と、今月6日以降最小に留まり、クオモNY州知事は記者会見で、「この傾向が続けば、われわれは最悪期を過ぎたことになる」と述べ、「減少が続くかどうかは、われわれの行動次第だ。だが、今は減少している」と語っています。一方WHOのテドロス事務局長は、「感染拡大抑制のため講じた制限措置の緩和は段階的に行わなければならない」と述べ、「感染拡大が終わったと言うべきではない。次の段階の始まりにすぎない」と述べ、慎重な姿勢を見せています。(ブルームバーグ)ただ欧州でも感染拡大はピークを超えたとの見方が出ており、ドイツでは中小店舗や自動車販売店などの営業を20日から再開する予定で、フランスでも移動や営業規制の解除を2週間以内に発表するとしています。

 先週末に発表された中国の1-3月期GDPは市場予想(-6.0%)よりもマイナス幅を拡大する「-6.8%」と、1992年にGDPが正式に発表された以降で初めてのマイナス成長になりました。また3月の小売売上高や工業生産も軒並み予想を下回っており、中国では1月に武漢市を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大し、中国経済の大部分が休業を余儀なくされたことが響いたようです。既に経済活動が再開されているため、4-6月期GDPは急回復すると見られていますが、それでもわずかにゼロを上回る程度と予想されており、中国経済が巡航速度に戻るにはかなりの時間が必要なようです。

 ドル円はまだ上値の重い展開を予想しています。今後発表される経済指標はどこも似たりよったりかと思われ、どこが最初に巡航速度への軌道を回復することが出来るのかが焦点です。余り記事にはなっていませんが、トランプ大統領は17日の記者会見で、強いドルを支持する発言を行っています。トランプ氏は「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」と語っています。これまでは、行き過ぎたドル高が米国の輸出業者を苦しめてきたと発言しており、今回なぜドル高支持に転換したのか真意は分かりませんが、大統領選を意識した可能性はあります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)