ドル円はアジアや欧州市場の流れを引き継ぎ底堅く推移。NYでは108円台には届かなかったものの、この日の高値圏で取引を終える。ユーロドルは小幅に下落。1.0817までユーロ安が進んだが、1.08台はキープ。

 株式市場は反発。ダウは一時300ドルを超える下げから小幅なプラスに転じる。ナスダックは139ポイントの上昇。債券相場は横ばい。長期金利は0.62%台で変わらず。金は続落。原油も下げ、20ドルの節目を割り込む。

3月住宅着工件数         → 121.6万件
3月建設許可件数         → 135.3万件
新規失業保険申請件数       → 524.5万件
4月フィラデルフィア連銀景況指数 → -56.6

ドル/円   107.16 ~ 107.92
ユーロ/ドル 1.0817 ~ 1.0901
ユーロ/円  116.55 ~ 117.19
NYダウ   +33.39 → 23,537.68ドル
GOLD   -8.50  → 1,731.70ドル
WTI    ±0.00  → 19.87ドル
米10年国債 -0.005 → 0.627%

【本日の注目イベント】

日  2月鉱工業生産(確定値))
中  中国3月小売売上高
中  中国3月鉱工業生産
中  1-3月GDP
欧  ユーロ圏3月消費者物価指数(確定値)
米  3月景気先行指標総合指数

 ドル円は15日(水)の107円割れから切り返し108円台を回復したものの、勢いもなく、下値は底堅いものの、上値の方も限定的な展開が続いています。ここは107-109円のレンジと捉え、利益を確定していくのがベターかと思いますが、言うまでもなく、レンジを一方に外れたケースも常に想定しておく必要はあります。

 トランプ大統領は16日、新型コロナウイルスの感染拡大抑制のための外出規制緩和に関して、「連邦政府ガイドライン」を各州に示し、規制の緩和は感染や疾病の症例数が「下向きの軌道」を記録してからとするよう勧告しました。ブルームバーグによると、各州はその上で3段階の再開プロセスに進むことができるとされています。雇用主による社会的距離を保つ慣行の導入と実践、職場での検温、ウイルス検査と衛生面の向上、消毒の使用を勧めています。また雇用主が「症状のある」労働者に対して、医師から職場復帰許可を得るよう求めることも勧告しています。トランプ大統領は16日の各州知事との電話会議で、連邦政府による社会的距離指針が期限切れとなる5月1日より前に、一部の州は事業や学校を再開できるとの認識を示していますが、専門家の間では「時期尚早」との意見が少なくありません。11月の大統領選を意識して、「コロナに打ち勝った大統領」との評価を目指しているとの見方もあるようです。

 確かに感染者数の増加ペースは明らかに鈍ってはいますが、NY州ではクオモ知事が州内のロックダウンを5月15日まで2週間延長しました。また感染者数が10万人を超えた英国でも、少なくとも3週間延長することを発表しています。早期の経済活動の再開を求めるトランプ大統領はやや「勇み足」のようにも見えます。昨日は地区連銀総裁の景気に対する認識も多く紹介されていますが、NY連銀のウィリアムズ総裁は、「残念ながら、米経済のパフォーマンスはしばらくの間低調に推移する状況にある」と述べ、「今後数年間で完全な景気回復を実現するには金融政策と財政政策の力強い支援を必要とするだろう」と語っています。また、ダラス連銀のカプラン総裁も「消費が立ち直るにはしばらくかかるだろう。2021年になってからという意味だ」と述べ、回復が定着するには時間がかかるとの認識を示しています。

 発表される経済データは「相当下振れしている」と理解はしているものの、予想を超える数字が続々と示されています。米週間失業保険申請件数は524万件と、先週よりも136万件ほど減少はしたものの、依然として高水準で、ここ4週間での累計は2200万件にも達したことになります。この結果、4月の雇用統計では失業率が10%を超えるといった観測も出ています。また、高水準を維持していた住宅市場にもコロナの影響が及んでいます。3月の住宅着工件数は前月比22.3%落ち込み「122万件」でした。これは1984年以来の急激な落ち込みとなっています。さらに、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も「マイナス56.6」と、市場予想の「マイナス32」を大きく下回っています。同指数は「ゼロ」を下回ると活動が縮小していることを示しており、4月は著しく活動が落ち込んだことを表しています。

 一方わが国では昨日政府が「緊急事態宣言」の対象を、これまでの7都道府県から全国に広げると発表しました。コロナウイルスの感染が地方にも拡大し始めたことで、移動制限を全国的に要請することにしました。また、これまでの「減収世帯を対象に30万円支給」を撤回し、所得制限を設けずに「国民一律に10万円支給」とするよう、補正予算を組み替えることも発表しています。これに伴う財源は12兆円を超えることになり、国債で賄うことになります。国債の増発は長期金利の上昇圧力になり、日米金利差縮小となれば円高要因と見られますが、一方で、日本の財政規律の悪化という意味では必ずしも円高要因と見ることは出来ません。「非常事態宣言」の全国化とともに、為替への影響はそれほど顕著ではないと思われます。

 本日は午前11時に発表される中国の1-3月期のGDPが注目されます。前期は「6.0%」でしたが、今回は「マイナス6.0%」と予想されています。新型コロナウイルスの感染が拡大した期間とほぼ一致するため、大幅な減速が予想されていますが、市場予想よりもさらに悪化しているのかどうかが注目されます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)