三菱UFJ国際投信が設定・運用する「モルガン・スタンレー グローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジあり)」がファンド オブ ザ イヤー2019で最優秀ファンド賞を受賞した。2019年のシャープレシオは3.82と、類似ファンド分類平均を1.60上回る高い投資効率性を示すとともに、トータルリターンは26.69%と類似ファンド分類平均を2.90%上回って好調だった。同ファンドの運用の特徴等について三菱UFJ国際投信 外部委託運用部 株式・リートグループ グループマネジャーの冨田道也氏(写真:左)と同グループ アシスタントファンドマネジャーの角田裕明氏(写真:右)に聞いた。

 ――ファンドの特徴は?

角田 2012年2月17日の設定から、運用は9年目に入っていますが、長期にわたって右肩上がりのパフォーマンスになっています。19年12月末の設定来のトータルリターンは119%と2倍以上に値上がりしています。

 このファンドの特徴は、高いブランド力や有力な特許、強固な販売網といった競合他社とは一線を画す無形資産を裏付けに、持続的なキャッシュフローを安定的に稼ぎ出す力のある企業を厳選して投資するということです。19年12月末時点の組み入れ銘柄数は30銘柄と、確信度の高い銘柄に集中して投資しています。

 また、生活必需品、ヘルスケアなど、どのような景気環境下でも利用頻度が変わりにくいとされる商品・サービスを提供する企業に投資することによって、基準価額の下落を抑制することを目的に運用していることも特徴の1つといえます。

冨田 ファンドを実質的に運用しているのは、モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの「インターナショナル・エクイティチーム」でロンドンを拠点としています。同チームが最も重視している投資哲学の一つに「元本を失うな」というのがありますが、常にこれを念頭に置いて銘柄の調査・分析にあたっています。

 当ファンドと同様の運用プロセスを用いている「グローバル・フランチャイズ戦略」は当ファンド設定前の1996年から運用実績があり、約25年間の運用期間の中で年間リターンがマイナスの成績になったのは2008年のリーマンショックの時と、18年の2回しかありません。この下落に強いパフォーマンスが大きな特徴です。

 ――具体的な銘柄選定のプロセスは?

角田 投下資本利益率(ROIC)などの定量指標でスクリーニングします。たとえば、ROICで利益率の高い企業は価格決定力があるなど競争優位な立場にあると考えられます。ここに定性的な評価を加えます。経営者ミーティング等を通じて、企業の長期的な戦略を理解して、中長期にわたって安定的なキャッシュフローを稼ぐ力があると確信の持てる企業を絞り込んでいます。

 ファンドにおいて銘柄の入れ替えを頻繁には行なわず、投資先企業の保有期間は比較的長いため、投資先企業の経営陣とは定期的にコンタクトを取り、しっかりとした対話ができています。マネジメント層とのミーティングを繰り返し行う中で、ビジネスモデルの確認や目的を持った対話を通して、中長期的な企業価値や株価の下値抵抗力の高さを吟味しています。

冨田 キャッシュフローを重視する当ファンドでは、フリー・キャッシュフロー利回りなどを指標として株価の妥当性も精査しています。安定的なキャッシュフローの獲得が期待される生活必需品メーカーは、一般的なグローバル株式指数での配分比率は8%程度ですが、当ファンドでは30%程度を生活必需品に投資しており、キャッシュフローを重視する特徴が良く出ている部分だと思います。

また、当ファンドが投資対象とするようなプレミアム企業は株価も割高になりがちですが、規律の取れたチーム運用を行うことで、投資先企業のクオリティの高さと株価の妥当性の両立を図っています。

 ――近年、注目度が高まっているESG(環境・社会・ガバナンス)投資に関する考え方は?

角田 ESGについては以前から運用プロセスの中に織り込まれています。生活必需品メーカーなど消費者に密着したサービスを提供している企業を多く組み入れているため、環境(E)や社会(S)への企業活動の影響については自ずと神経を使います。

 また、安定的なキャッシュフローを生み出すことを銘柄選定のポイントの1つにしていますが、そのキャッシュが効率的に使われているかというガバナンス(G)の点についてもチェックしています。

 そもそもブランド力などの無形資産に着目するというファンドのコンセプトは、中長期の企業価値を評価するために、財務データには表れない経営者の考え方を理解するというESG投資の考え方と同じ方向を向いているといえます。

 ――組み入れ銘柄の国・地域を見るとアメリカが6割強で、アメリカとイギリスで全体の8割を占めています。アメリカ株は2月まで史上最高値圏にありましたが、これからの運用にマイナスになりませんか?

角田 アメリカの企業といっても、その中身をみると、グローバル市場を対象に事業を行っていることがわかっていただけると思います。組み入れ上位銘柄になっているマイクロソフト、フィリップ・モリス、ビザなど本社はアメリカですが、事業領域はグローバルに展開しています。地域的な偏りがないことも、パフォーマンスを安定させる上では重要なポイントだと思います。

 ――どのような投資家に持ってほしいファンドですか?

角田 どんな方にも、長期で持っていただけるファンドだと思います。世界景気は拡大サイクルの最終段階にあるとの見方もありますが、当ファンドが投資しているグローバルでクオリティの高い銘柄群は、全体の株価が思わしくない中にあっても下落への抵抗力が強い銘柄群と考えています。これまでのパフォーマンスも、安定的に着実なプラスを重ねてきたように、これからもしっかりしたパフォーマンスが期待できると考えています。

 米中貿易問題や新型コロナウイルス問題など、先行き不透明感が気になる方こそ、当ファンドが実現してきた不透明な投資環境下でのパフォーマンスに注目し、安心してお持ちいただけると思います。(情報提供:モーニングスター社)