インベスコ・アセット・マネジメントが設定・運用する「インベスコ プレミア・プラス・ファンド『愛称:真分散革命』」がファンド オブ ザ イヤー2019で最優秀ファンド賞を受賞した。2019年のトータルリターンは12.05%と、類似ファンド分類平均を6.10%上回った。14年11月の設定来、運用期間が約5年間のうち、16年に優秀ファンド賞、17年に最優秀ファンド賞を受賞しており、今回で3回目の受賞となる。同ファンドの運用の特徴等についてインベスコ・アセット・マネジメント代表取締役社長兼CEOの佐藤秀樹氏(写真)に聞いた。

 ――ファンドの特徴は?

 大きく2つあります。1つは、投資対象が株式と債券、そして、資源資産という相関が低い組み合わせにしていることです。当ファンドの運用チームでは、あらゆる資産の値動きを徹底的に分析し、さまざまな経済局面において安定的に資産を増やすには、どのような組み合わせが最適かを検証し、この3つの資産に投資をすることが安定的な資産形成を可能にすると考えています。また、資源資産については、伝統的な資産と相関が低いことに加え、日本でこそあまり馴染みのないインフレへの対策として組み入れているという側面もあります。

 もう1つの特徴は、投資資産のリスクの大きさに着目した資産配分であることです。従来のバランスファンドでは、投資する資産の配分を固定する運用が一般的です。このような手法では、リスクの大きい資産とリスクの小さい資産を組み合わせた場合、リスクの大きい資産の影響を受けやすい資産配分となります。一方、当ファンドでは、それぞれの資産の投資割合ではなく、リスクが均等になるよう配分比率を調整することで、どのような相場環境です安定的なリターンの獲得をめざします。リスクの大きさに着目した資産配分は、専門的には「リスク・パリティ」と言われます。この方法は、特にリーマン・ショック後にマーケットの価格変動が大きくなる中で、資産をできるだけに安定的に運用したいと希望する機関投資家の間で注目されるようになりました。

 私たちが日本の投資家の皆様を対象とした3,000名規模のアンケート「人生100年時代の資産準備に適した投資信託とは何か」を行った結果、「安定的に資産をふやすことが期待できるファンド」を強く望む声が目立ちました。一方、こうした運用を担うべきバランスファンドには、「結局、相場状況で大きく下がるのでは」といった懸念も聞かれます。従来型のバランスファンド1.0から脱却し、それとは大きく異なる新たなコンセプトで運用するバランスファンド2.0が「インベスコ プレミア・プラス・ファンド」です。

 ――安定的にパフォーマンスが出るリスク・パリティ戦略の運用の実際は? 

 当ファンドの運用戦略は、リーマン・ショックが起こった2008年9月に運用を開始しました。その当時、多くの資産が大きく値下がりし、代表的な株価指数であるMSCIワールド指数(円換算ベース)は、2008年9月末から2009年2月末までに約41%下落しました。そして、リーマン・ショック前の水準を回復するまでに約51カ月を要しました。この同じ期間に、このファンドの運用戦略は、同期間の下落率は最大で約9%程度にとどまり、また、わずか8カ月で設定時の投資元本の水準を回復しました。

 このような実績から、同運用戦略は米国の投資家に大きく注目され残高を拡大し、足元では世界全体で1.8兆円の運用資産を有しています。また、米国の確定拠出年金において老後の資産形成に適した運用商品として「適格デフォルト商品」と認定された実績もあります。

 リスクの大きさに着目した資産配分によってどのような経済局面でも相対的に安定したリターンの獲得をめざしています。19年末時点での資産配分は、株式が33.0%、債券が46.7%、資源資産が20.3%です。

 経済局面を大まかに分類すると、「経済成長期」「景気減速期」「インフレ期」という3つの局面があります。過去、これらの局面において、さまざまな資産がどのような値動きをしてきたのかを分析した結果、前述した3つの資産に投資することが、多様な投資環境をのりきるために有効であると考えています。

 このような専門性の高い運用を実践するのは、平均20年超の豊富な投資経験を有する13名の運用プロフェッショナルで構成されたインベスコ・グローバル・アセット・アロケーションチームのメンバーです(19年12月末現在)。

 ――このファンドを資産形成に活用するポイントは?

 19年の市場の変動要因であった米中の貿易摩擦、そして、20年になって新型コロナ・ウイルスの世界的な感染拡大によって、世界の株式市場が大きく変動していますが、長期に保有する資産形成のコアとなるファンドとしてこのファンドをご活用いただきたいと思います。短期間に市場が大きく変動すると、1カ月間はマイナスの成績になることもありますし、より大きな変動の場合は1年保有してもマイナスが解消されないということもあります。しかし、このファンドは設定来、3年間保有していただくと、どのタイミングで投資し始めたとしてもマイナスになったことはありません(19年12月末現在)。

 このようなに、さまざまな市場環境に対応でき、相対的に安定したパフォーマンスを獲得できる運用商品は、投資経験のない方の初めの1本にもふさわしい投資信託と考えています。また、投資経験が長い方には、このファンドをコアとして持った上で、新興国や中小型株式、あるいは、テーマ型株式など、その時々に高い成長が期待できると感じられる商品を上乗せして保有するという戦略にも使えます。人生100年時代といわれ、資産形成の期間は従来に増して長期化しています。20年、30年という将来を考えると、インフレ対応は避けられない課題だと思います。インフレに負けない長期の資産形成に役立つコア・ファンドとして当ファンドをご検討いただきたいと思います。(情報提供:モーニングスター社)