ドル円は大幅に下落。失業保険申請件数が過去最多件数になったことや、ドル資金回帰の流れが一巡したことで109円21銭までドル安が進む。ユーロドルも反発。ドル安の流れに、1.1058までユーロ高に。ECBが債券購入を実施する際の制限が撤廃されたこともユーロの買い戻しを促す。

 株式市場は大幅に続伸。2兆ドル(約220兆円)を超える景気対策が本日にも議会を通過する見通しになったことを好感。ダウは1351ドル上昇し、これで3日続伸。この間の上げ幅は20%を超える。債券相場は反発。長期金利は0.84%台へ低下。金は反発。原油は大幅に反落。

新規失業保険申請件数     → 328.3万件
10-12月GDP(確定値) → 2.1%

ドル/円   109.21 ~ 110.09
ユーロ/ドル 1.0927 ~ 1.1058
ユーロ/円  119.95 ~ 121.00
NYダウ   +1,351.62 → 22,552.17ドル
GOLD   +17.80    → 1,651.20ドル
WTI    -1.89     → 22.60ドル
米10年国債 -0.023    → 0.845%

【本日の注目イベント】

日  3月東京都区部消費者物価指数
米  2月個人所得
米  2月個人支出
米  2月PCEコアデフレータ
米  3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)

 昨日発表された新規失業保険申請件数は、相当の増加が見込まれており、最大で300万件に達するのではとの予想があることを、この欄でも紹介しましたが、結果はさらに増加していました。件数は328.3万件と、これまでの過去最多を記録した1982年の69.5万件の4倍を上回り、1967年の統計開始以来の最多件数を大きく更新しました。

 申請件数は全米で増加していましたが、特にペンシルベニア州での増加が目立ち、同州の件数は37万8990件と最多だったようです。なぜ同州の件数が急激に増加したのかは、現時点では判明していませんが、失業保険申請件数の増加はそのまま雇用統計の「失業率」にも直結してくると思われます。2月の雇用統計での「失業率」は3.5%と、50年ぶりの低水準を維持していました。昨年9月以来6カ月間、3.5~3.6%と非常に低水準で安定しており、米労働市場の堅調さが米景気拡大の源泉の一つと見られていました。今回の桁外れの数字は、今後数カ月以内に「失業率」が大きく悪化することを示唆しているものと見られます。

 ドル円は予想されていたとは言え、この数字に反応した部分があります。今後は、発表される様々な経済指標が「下振れ」する可能性が高く、ドル安につながる可能性もあります。同時に、111円50-70銭レベルを先週金曜日から4日連続で試し、全て押し戻されていました。昨日のコメントでも、112円23銭という、今年のドルの最高値を更新することが出来ない限り、ドル円は下げる余地があると述べてきましたが、どうやら111円台半ばから上方が「壁」として意識される状況になってきたようです。またこれも既に述べたことですが、筆者が使用している「移動平均線」では、未だに「ゴールデンクロス」は見せていませんでした。「MACD」ではドル買いサインがとうに出ていたにも拘わらず、「移動平均線」では買いサインが出ていないことに注意はしていましたが、今朝の時点では、短期と長期の線がほぼ同じ水準に位置しており、クロスしそうな気配です。今後、この線が再び乖離していくのか、あるいは遅まきながら「ゴールデンクロス」を点滅させるのか、注目していきます。(いずれも日足ベース)

 日足では3月9日につけた101円18銭を起点とした「トレンドライン」も割り込んできました。ドルの上値が徐々に重くなってきたと思いますが、ただここから円をむやみに買っていくわけにもいかない状況かと思います。欧米各国に比べ、比較的感染拡大をうまく抑えてきた日本でしたが、ここにきて首都東京での新型コロナウイルスの感染が日増しに拡大してきました。小池都知事が会見を行った2日前には41人だった感染者数が、昨日は47人に増えており、今後急増する恐れも出ています。

 さらに、都内で感染が確認された人の46%で感染経路が不明であり、これが今後の急拡大につながる恐れがあると指摘する専門家もいます。今後、イタリアや米国で起こっている「オーバーシュート」もないとは言えません。また景気対策でも米国に比べ、決定・実施までの時間が長く、その効果も不透明です。必ずしも、今後円がさらに買われ、101円台を目指すとも思えません。

 105-110円のレンジに戻ったのか、あるいは107-112円のレンジが継続されているのか、今後の日米でのコロナの感染状況がカギを握っていると見られます。特に、首都東京での感染拡大がどこでまで続くのかが大きな焦点になると見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)