日本の連休前には108円台だったドル円は一段と上昇し、NY市場では111円50銭まで急騰。ドル資金を確保しようとする動きが加速し、約1カ月ぶりの高値を記録。ユーロドルでもドルを買う動きが強まり、一時は1.0638までユーロ安が進む。

 株式市場は大幅反落。NY州など、自治体が住民の移動制限を厳しく制限し始めたことが嫌気され、ダウは913ドル安の1万9000ドル台に。その他の主要指数も軒のみ直近安値を更新。債券相場は上昇。長期金利は0.84%台へと急落。金は続伸。原油は20ドルを割り込む場面もあったが、引け値では22ドル台まで反発。

米 2月中古住宅販売件数 → 577万件

ドル/円   109.92 ~ 111.50
ユーロ/ドル 1.0638 ~ 1.0762
ユーロ/円  117.83 ~ 119.30
NYダウ   -913.21 → 19,178.98ドル
GOLD   +5.30   → 1,484.60ドル
WTI    -2.79   → 22.43ドル
米10年国債 -0.295  → 0.845%

本日の注目イベント

欧 ユーロ圏5月消費者信頼感指数(速報値)

 連日大きな値動きが続くNY株式市場に比べると、動きが大人しく緩慢だったドル円も、日本が連休で休みだった先週には想定を超える値動きになりました。連休前の19日(木)朝方には108円台半ばだったドル円は、金曜日のNY市場では111円50銭までドル高が進みました。今月9日には101円台前半まで売られたドル円が、わずか10日余りで10円以上の上昇を見せたことになります。昨年1年間の値幅が8円弱ということを考えると、10日間で昨年1年間の値幅を大きく超えてしまったこととなり、非常に大きな値動きだったと言えます。

 ドルは、円だけではなく主要通貨に対して全面高の様相を見せています。新型コロナウイルスの感染が欧米で急拡大し、先進国、新興国を問わずドル資金の確保に奔走しており、ここに来て、「有事のドル復活」といった印象です。ユーロドルの1.06台前半は、2017年4月以来、約3年ぶりの低水準になります。また豪ドルに至っては、2008年のリーマンショック時を超え、2002年12月以来となる水準まで「ドル高・豪ドル安」が進んでいます。ここまで来ると、ファンダメンタルズといった経済合理性などは全く効かず、まずはドル資金を確保することが最優先になっているといった動きです。

 今朝の報道では、新型コロナウイルスの感染者数は世界で30万人を超え、特に欧米での増加が目立っています。各国が外出を制限する措置を打ち出し、人の移動はほぼ出来ず、経済活動も麻痺状態です。米国は2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策を検討しており、ムニューシン財務長官は、この法案は「23日に議会を通過すると期待している。資金は今必要だからだ」と、FOXテレビの番組で述べ、素早い対応の必要性を強調しています。一方日本でも対応は決して早いとは言えませんが、自民党の岸田政調会長が、昨日のNHKの番組で「リーマンショック時の対策を上回る規模が必要だ」と述べています。

 ただ、自民党の一部や野党が提唱している「消費税の撤廃」や「消費税を8%に戻す」案、あるいは「消費税を半減」といった案には否定的でした。ただ、これまでのやり方を大きく超えるような対策でなければ、今回の危機を乗り越えることはできないのではないでしょうか。コロナの感染がいずれ終息すれば、各国が経済対策に舵を切り始めます。バブル崩壊後、「失われた10年」と言われていたものが、今や「失われた30年」になっています。今回は、少なくともまた同じような轍を踏まないようにして欲しいものです。

 難しい相場展開が続きます。このような時には、「相場観」などはあまり役にたちません。それは、「このレベルなら売り。このレベルなら買い」といった「値ごろ感」などが通じないからです。筆者が使っている移動平均線では今朝の時点でもまだ「ゴールデンクロス」は示現していません。一方、「MACD」では先週17日に「ゴールデンクロス」を示現しています。(いずれも日足)やはり、相場の動きに忠実で、反応も早い「MACD」が有利と言えます。

 いずれにしても、値動きが早くレートも飛びやすいことから、引き付ける他ありません。20銭、30銭の利益をとっても、1円やられてしまっては意味がありません。慎重な対応が求められます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)