ドル円は大幅に続伸。米長期金利がさらに上昇したことや、ドルを調達する動きが強まったことで、ドル円は108円65銭まで買われる。ユーロドルでもドル高が進み、一時1.0802まで売られる。ユーロ圏の景気に対する懸念が蒸し返され、約3週間ぶりのユーロ安となる。ポンドドルも大幅に続落。2016年のBREXITを下回り、1985年3月以来となる1.1452前後まで下落。株式市場は連日値幅を伴って上下を繰り返し、この日は大幅安。ダウは1338ドル下げ、2万ドルの大台を割り込む。債券相場は続落。換金売りの流れが債券にも及んで、長期金利は1.12%近辺まで上昇。金は大幅に反落。原油価格はさらに売られ、2002年以来となる20ドル割れ目前のレベルまで下落。

2月住宅着工件数    → 159.9万件
2月建設許可件数    → 146.4万件


ドル/円 107.29 ~ 108.65
ユーロ/ドル 1.0802 ~ 1.0985
ユーロ/円  116.89 ~ 118.00
NYダウ  -1,338.48  → 19,898.92ドル
GOLD   -47.90 → 1,477.90ドル
WTI   -6.58 → 20.37ドル
米10年国債 +0.113 → 1.192%


【本日の注目イベント】

豪   豪2月雇用統計
日   2月消費者物価指数
米   新規失業保険申請件数
米   経常収支(10-12月)
米   3月フィラデルフィア連銀景況指数
米   2月景気先行指標総合指数

 金融市場だけではなく、債券、商品市場も含め、ほぼ全市場に混乱が広がっています。昨日のNYでは、驚いたことに全ての市場で対象物が売られています。株式市場では、ダウは再び1000ドルを超える下げで、引け値では2万ドルの大台を大きく下回り、トランプ大統領就任後の上げ幅を全て吐き出しています。利益の出ているものをキャッシュ化するという動きから、金も47ドル(3.1%)売られ、債券も売られています。大幅な株安から安全資産の「金と債券」も売られ、さらに「円」も売られました。債券はややバブルであったと言えますが、昨日の売りは、新型コロナウイルス対策に関連してトランプ政権の機動的な財政支出により、国債の増発が予想されることで売りが膨らんだようです。もっとも、国債を保有している投資家はほぼ全員がかなりの含み益を抱えており、ここでも株の損失を埋め合わせるための売却という側面があったことは、想像に難くありません。

 さらに昨日の下げで最も目立ったのが、WTI原油価格です。連日大幅な下げに見舞われている原油価格は、昨日も7ドル近く下げ、一時は20ドル06セント(25.5%))まで売られました。2002年2月以来、実に18年ぶりの水準です。新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で止まらず、企業の生産活動が急低下しています。加えて、サウジアラビアの増産計画が下落に拍車をかけています。サウジアラビアのエネルギー省は18日、国営サウジアラムコに対し、「今後数カ月にわたり日量1230万バレルの生産水準を続けるよう指示した」ことを発表しました。(ブルームバーグ)需要の大幅な減少と、サウジが仕掛けた価格攻勢が嫌気された格好です。

 米政府の素早い対応にも拘わらず、市場の動揺は収まっていません。新型コロナウイルスへの米政府の対応は機動的でしかも具体的です。トランプ政権は1兆3000億ドル(約140兆円)という、日本の国家予算を大きく上回る大規模な救済案を提示しました。その中には、個々の支給額は所得や子供の数に応じて決まるものの、一人1000ドル(約10.8万円)の給付も含まれています。ムニューシン財務長官は、「2週間以内に国民に小切手を送付するような方法」を検討しているようですが、今朝のブルームバーグニュースでは実施日は4月6日と5月18日と、具体的です。また給与税の減税も検討されているようです。このように、実現すればこれまでの政権ではなかった、過去最大規模の経済対策となり、大統領選を意識した面は否定できませんが、米政府が今回の危機を乗り切るという強い意志は感じ取れます。

 ドル円は108円65銭までドル高が進み、先週末の108円50銭の直近高値をわずかですが上回ってきました。ドル資金を調達するという流れもあり、また上述のような理由から、長期金利が上昇したことで円安が進んだものです。テクニカルでは昨日も述べましたが、MACDでは「ゴールデンクロス」がとうに点灯しています。この上方には日足の「雲」があり、108円95銭前後がメドになりそうです。この「雲」を上抜けすれば、110円前後までのドル高もないとは言えませんが、「雲」抜けには109円台半ばまで上昇する必要があります。筆者が利用している移動平均線は、「日足」ではまだトレンドの変化は示唆していません。これを信じるのであれば、まだドル売りのチャンスを探る展開かもしれません。繰り返しになりますが、1日の値動きが大きく、予想した以上に値幅が出ます。売り買い、特にポジションメークをする際は、出来るだけ引き付ける必要があります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)