新型コロナ・ウイルスの感染拡大を防止するため、人の接触を厳しく制限したため、中国の1~2月の経済活動は全面的に停滞した。さらに、この影響が欧州や米国にも広がって、世界的な経済活動が不活発になったことが、中国の経済回復の足を引っ張ることになっている。大和総研は、今回の事態を受けて従来の中国の経済見通しを大幅に見直した。大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は3月18日、「中国経済見通し:20年は1.5%の低成長へ」(全8ページ)を発表した。レポートの要旨は以下の通り。

◆中国経済はかつてない苦境に立たされている。中国国家統計局によると、2020年1月~2月の鉱工業生産は前年同期比13.5%減(以下、変化率は前年同期比、前年比)、小売売上は20.5%減、固定資産投資は24.5%減と記録的なマイナスとなった。新型コロナウイルス肺炎感染拡大抑制のため、ヒトの移動やヒトとの接触を厳格に制限し、経済活動が全面的に停滞したことが、その背景にある。

◆徹底的な新型肺炎拡大抑制策が奏功し、中国国内の新規感染者数は激減し、終息も見えてきた。しかし、新型肺炎は中国一国の問題にとどまらず、主戦場が欧米など中国以外に移っていることが、事態を深刻化させている。大和総研では、2020年1月~3月の実質GDP成長率見通しを従来の3.8%程度から▲7.0%程度と、大幅に引き下げた。4月~6月については、新型肺炎拡大に伴う世界需要の減退や、雇用悪化による消費の戻りの鈍さが懸念され、マイナス幅は大きく縮小してもプラス成長への浮上は難しいであろう。中国経済の回復には、世界的な感染拡大の抑制、そして景気テコ入れ策の発動が鍵を握る。年後半の本格回復を想定しても2020年の実質GDP成長率は1.5%(従来予想は5.4%)程度にとどまろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)