ドル円は米長期金利の低下を材料に109円55銭まで下落。円を買う動きは鈍いものの、リスク回避の流れが一段と加速し、ドル円を押し下げた。ユーロドルでもドル安が進み、3週間ぶりに1.10台を回復。

 株式市場は下げ止まらず、ダウは1100ドルを超える下げを記録。カリフォルニア州知事が、アジアを訪問した8400人を監視中だと発表したことで引け際に下げ幅を拡大。債券はこの日も買われ、長期金利は連日で過去最低を更新。1.26%台まで下げて取引を終える。金は小幅に続落。原油価格も下げ止まらず、前日比1ドル64セント下げ、47ドル台に。

新規失業保険申請件数     → 21.9万件
1月耐久財受注        → -0.2%
10-12月GDP(改定値) → 2.1%
1月中古住宅販売件数成約指数 → 5.2%

ドル/円   109.55 ~ 110.34
ユーロ/ドル 1.0959 ~ 1.1006
ユーロ/円  120.34 ~ 120.92
NYダウ   -1190.95 → 25,766.64ドル
GOLD   -0.61    → 1,642.50ドル
WTI    -1.64    → 47.09ドル
米10年国債 -0.068   → 1.269%

本日の注目イベント

日  2月東京都区部消費者物価指数
日  1月失業率
日  1月鉱工業生産
独  独2月失業率
独  独2月消費者物価指数(速報値)
欧  ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
米  1月個人所得
米  1月個人支出
米  1月PCEコアデフレータ
米  2月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
加  カナダ2月GDP

 米国株が下げ止まりません。特に昨日の動きは日中に大きく下げたものの、その後下げ幅を縮小しましたが、最後の大引けにかけて急落し、結局、前日比1190ドルの大幅下落で取引を終えました。カリフォルニア州知事が、アジアを訪問し新型コロナウイルスにさらされた可能性のある8400人を監視中だと発表したことが株価を押し下げました。昨日ホワイトハウスでトランプ大統領が「どのような事態にも完璧に準備ができている」と述べ、「米国民へのリスクは依然非常に低い」と発言したその日に、西海岸で行われた州知事の発表は驚きだったようです。サンフランシスコ市は「非常事態宣言」を出しています。

 また新型コロナウイルスを巡り、米疾病対策センター(CDC)は27日、検査対象を大幅に拡大する「新たな指針」を発表しています。ブルームバーグによると、中国、イラン、イタリア、日本、韓国に過去14日以内に滞在し、呼吸器に異常がある人を検査するとしています。また、原因不明で、深刻な症状がある人も対象になるようです。対象国には「日本」も入っています。新型コロナウイルスの感染が中国以外で拡大しており、中国以外で新たに確認された新型コロナウイルス感染者数が中国国内を2日連続で上回っています。

 金融市場の混乱は日増しに拡大してきました。投資家がリスク回避の姿勢をさらに強め、リスク資産の売却を加速させています。安全資産の代表格である米国債は昨日も買われ、長期金利は連日で過去最低を更新し、昨日は1.26%台まで低下しています。金利先物市場でも、来月18日に開催されるFOMCでの「利下げ」を織り込む動きが強まり、足元の利下げ確率は90%を超えてきました。個人的には3月の利下げはないと予想していましたが、株式市場の想定外の混乱で、FRBは動かざるを得ない状況に追い込まれた格好です。

 金利低下に呼応する形でドル円もじわじわと下げ、今朝方には109円33銭前後までドル安が進みました。この水準は、日足でも週足でも「雲の上限」にあたり、現時点では下げ止まっています。この水準を下抜けするようだと、これまでの上昇局面が終わった可能性が高く、ドル円は再び昨年秋口から長い間続いた108-110円のレンジに戻ると予想されます。先週、一時は1.07台半ばまで売られたユーロドルもこのドル安局面から、昨日は1.1台を回復してきました。中国での感染拡大ペースがやや鈍化してきた一方、世界規模で感染が拡大しており、まだまだ予断を許しません。

 本日も日本株がどこまで下げるのかが焦点ですが、ドル円のレンジは109円~110円といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)