ドル円は欧州市場で112円台に乗せ、NY市場では112円23銭までドルが買われた。経済指標が引き続き好調なことに加え、新型コロナウイルスで、日本で新たに2人の死亡者が出たことが材料に。ユーロドルは欧州時間に1.0778前後まで売られたが、NYでは1.08台で小動き。

 株式市場は反落。新型コロナウイルスの感染が再び意識されダウは128ドル安。日本や韓国で死者が出たことが背景となり、リスク回避の流れが強まった。債券相場は続伸し、長期金利は1.51%台まで低下。金はこの日も買われ、6日続伸。7年ぶりとなる1620ドル台まで上昇。原油も続伸。


新規失業保険申請件数       → 21.0万件
1月景気先行指標総合指数     → 0.8%
2月フィラデルフィア連銀景況指数 → 36.7

ドル/円   111.70 ~ 112.23
ユーロ/ドル 1.0783 ~ 1.0821
ユーロ/円  120.51 ~ 121.38
NYダウ   -128.51 → 29,219.98ドル
GOLD   +8.70   → 1,620.50ドル
WTI    +0.49   → 53.78ドル
米10年国債 -0.051  → 1.515%

本日の注目イベント

日  1月消費者物価指数
独  独2月製造業PMI(速報値)
独  独2月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
欧  ユーロ圏2月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏2月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏2月サービス業PMI(速報値)
米  1月中古住宅販売件数
米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
米  ブレイナード・FRB理事講演
米  クラリダ・FRB副議長講演
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演


 昨日本稿で述べたように、新型コロナウイルスの感染拡大が報告されると、リスク回避の円買いが進むのが通常だったが、これが日本での感染拡大となると、「話が違う」ということのようです。昨日の昼過ぎ、横浜港に停泊中の「ダイヤモンド・プリンセス号内で感染した80歳代の日本人男女2名が死亡」とのニュースが流れると、ドル円は直ぐに111円50銭近辺まで上昇し、350円程のプラスで推移していた日経平均株価が上昇幅を縮小する動きが見られました。これまで新型コロナウイルス関連のニュースでは、世界経済の鈍化につながるとの連想から、安全通貨の円が買われる傾向がありましたが、もはやそれは通じないような展開になりつつあります。

 日本で新たに2人の死者で出たことは海外市場でも意識され、ドル円は欧州市場で一気に112円台に乗せています。本日は日本株も再び売られる展開が予想され、円売り、株売りと、なにやら「日本売り」の様相になりそうです。米疾病対策センター(CDC)は19日、新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、日本と香港への渡航者に注意を呼びかけました。注意レベルは3段階でも最も低い「レベル1」の「通常の注意が必要」としており、渡航の中止や延期は勧告していません。ただ昨日も述べたように、「日本は感染を拡大させる最も危険な地域の一つである」との認識が、世界で意識されつつあるようです。

 クラリダFRB副議長は昨日の講演で、投資家が今年半ばの利下げを期待しているとの見方に異議を唱え、米経済のファンダメンタルズは健全だと指摘しました。副議長は、「米金融当局は新型コロナウイルスを注意深く見守っているが、米経済にどう影響するのか判断するのは時期尚早だ」と述べ、「少なくとも今年第1四半期は、中国の成長に恐らく顕著な影響を及ぼすことは確かだ」とCNBCのインタビューで話しています。(ブルームバーグ)

 市場でドル高傾向が続いている上、日本での新型コロナウイルスの感染拡大から、ドル円は連日「大台替え」を演じています。昨日のNYでは112円23銭までドル高が進み、昨年4月のドルの最高値に迫る勢いです。昨年秋口から「動かないドル円」には多くの個人投資家が「慣れっこ」になっています。今年1月2日には米軍がイランの司令官を殺害し、107円台で始まりましたが、2カ月経過した現時点ですでに5円ほどの値動きがあり、昨年1年間の半分以上の値幅を記録しています。今年はさらに米統領選も控えています。これまでの動かないドル円という意識を捨てて取り組む必要があります。ドル円は急激に水準を切り上げてきました。上記112円40銭という水準はもはや射程圏内でしょう。この水準を抜けると、2018年12月の113円52銭が次のターゲットになりそうです。ただ、ここまでのドル高のスピードは速すぎます。どこかで調整が入ると見られますが、110円台は底固めが終わった印象です。

 本日のドル円は111円50銭~112円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)