ドル円は109円台半ばから後半で小動き。新型コロナウイルスの感染拡大は続いているものの、拡大ぺースが鈍化したとの観測から109円93銭まで上昇する場面も。ユーロドルは続落し、1.0982までユーロ安が進む。域内の景気減速を手掛かりにユーロ売りがやや活発に。

 株式市場はハイテク株を中心に続伸。ダウはほぼ横ばいだったものの、ナスダックとS&P500は最高値を更新。債券相場は小幅に下落。長期金利は1.6%近辺まで上昇。金は4日ぶりに反落。原油価格は続伸したが50ドルには届かず。

ドル/円   109.73 ~ 109.93
ユーロ/ドル 1.0892 ~ 1.0925
ユーロ/円  119.59 ~ 120.02
NYダウ   -0.48  → 29,276.34ドル
GOLD   -9.40  → 1,570.10ドル
WTI    +0.37  → 49.94ドル
米10年国債 +0.029 → 1.599%

本日の注目イベント

欧  ユーロ圏12月鉱工業生産
米  1月財政収支
米  パウエル・FRB議長、上院銀行委員会で証言
米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

 ドル円は109円台半ばから後半で動きません。110円台が重いものの、109円台半ばから下方にはドル買い需要があるとの観測もあります。パウルFRB議長の議会証言がありましたが、特段影響を与える発言もなく、やや膠着感が出ています。一方でようやくユーロドルの動きが活発化してきました。昨日のNY市場では域内の景気の下振れ観測を材料に、ユーロドルが1.09台を割り込み、昨年10月以来となる1.0892までユーロ安が進みました。その後はラガルドECB総裁が講演で利下げの可能性を示唆しなかったこともあり、1.09台に反発しています。NY株式市場は引き続き堅調な動きを見せています。ダウ平均株価は引けにかけてマイナスに転じましたが、ハイテク株を中心に続伸し、ナスダックとS&P500は揃って前日に続き最高値を更新しました。ナスダックは9638ポイントで引けていますが、「1万ポイントの大台も遠くない」といった声もあったようです。

 パウエル議長は11日下院金融委員会の公聴会で証言を行い、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を金融当局として注視していると述べたものの、それが金融政策の変更の影響を与えるかどうかついては言及しませんでした。議長は、「われわれは特に、新型コロナウイルス出現の問題を注視している。この問題は中国での混乱につながり、世界の他地域の経済に波及する恐れがある」と証言しました。また質疑応答では、新型ウイルスの米経済への潜在的影響についての認識を問われると、「米国に一定の影響が及ぶであろうこと、その可能性が非常に高いことを承知している」と発言し、それが「長引く」のか「重大なのか」については、「発言するのは時期尚早だ」との判断を示しました。(ブルームバーグ)米国の景気については、「今の景気拡大に不安定さや持続不可能といったものはない」とも述べています。

 新型コロナウイルスの感染は依然として拡大しているようで、世界での死亡者の数は1000人を超え、感染症例も4万を大きく超えています。中国の習近平主席は、今月3日に開かれた共産党政治局常務委員会の会合で、地方当局者に対して新型コロナウイルスの感染拡大防止策は行き過ぎであり、中国経済を脅かしていると述べた、とロイター通信が報じています。当局者に「一段の制限措置は控えるよう要請した」と関係者からの情報として伝えています。また有力ヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創設者として知られるレイ・ダリオ氏は11日中アブダビで開かれた会合で、「新型コロナウイルスの感染拡大が市場に及ぼす影響は誇張されており、短期間で終わる可能性が高い」と述べています。日本での感染症例も増えておりまだまだ油断はできませんが、今後中国以外の国での感染がどこまで広がるのかも焦点の一つと言えます。

 本日はパウエル議長の議会証言が上院で予定されていますが、昨日の議長の証言内容からは、それ自体材料にはなりにくいと思われます。ドル円は、109円台半ばから110円程度のレンジを予想します。仮に上下どちらにブレイクしても、そのままその流れが継続するとも思えません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)