ドル円は反発。NY株が上昇し、経済指標が上振れたことでドルを買い戻す動きが勝った。ドル円は108円80銭まで買われたが、投資家の慎重姿勢は継続。ユーロドルは小反落。1.1036まで売られ、1.10~1.12のレンジ内での動きが続く。株式市場は反発。アジア株の下げが限定的だったことや、経済指標の上振れに買い戻しが優勢に。ダウは一時370ドルを超える上昇を見せたが、引け値では143ドル高と勢いを失う。債券相場は反落。長期金利は1.52%台へ上昇。金は続落。原油価格は中国の需要が減少するとの見方から大きく売られ、一時は1年1カ月ぶりに50ドルを割り込む。引け値は若干値を戻し50.11ドル。

1月ISM製造業景況指数    → 50.9 

ドル/円 108.49 ~ 108.80

ユーロ/ドル 1.1036 ~ 1.1066

ユーロ/円  119.92 ~ 120.26

NYダウ  +143.78 → 28,399.81ドル

GOLD   -5.50 → 1,582.40ドル

WTI   -1.45 → 50.11ドル

米10年国債 +0.020 → 1.527%

本日の注目イベント

豪 RBA、キャッシュターゲット
欧 ユーロ圏12月生産者物価指数

 ドル円は昨日の朝方、108円32銭近辺まで売られましたが、その後は108円台半ばまで戻し、NY市場では108円80銭まで反発しています。今回もドル円は、株式市場の喧騒の割には底堅い動きだったと言えます。春節明けの中国市場の動向が注目されていましたが、事前に中国人民銀行が大量の資金供給を行うことを発表していたことが功を奏し、大幅安で取引が始まった上海総合指数もその後下げ渋り、一時420円ほど下げていた日経平均株価も下げ幅を縮小したことで、ドル円も108円50銭近辺まで値を戻しました。NY株式市場もこの流れを受け上昇して取引が始まり、ISM製造業景況指数が予想を大きく上回ったことも株価の上昇を支えました。ただ、依然として新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、市場の警戒感は高水準です。

 今朝の時点では新型コロナウイルスの感染による死者は362人で、感染例は1万7400件と報告されており、前日に比べるとその数はそれほど増えてはいない印象です。それでも、日本を始め世界規模で景気への影響も出始めており、市場はその影響を正確には読み切れない状況です。日本では春節期間の売上高が公表されましたが、デパートでは軒並み売り上げが減少しており、免税売上高は2桁の減少となっています。また中国人観光客の落ち込みも大きく、日本への団体客でも40万人のキャンセルが出たと報道されています。懸念されるのは、5カ月後に迫ったオリンピックへの影響です。今後感染拡大がさらに進み、日本でも爆発的に感染者が増える可能性があることを専門家は指摘しており、そうなると7月のオリンピックまでその影響が続くことも考えられます。すでに日本の1-3月期GDPはマイナス成長が予想されています。

 NY株は1日おきに上げ下げを繰り返しており、しかもその値幅も大きくなっています。昨日発表された米製造業でも同じような現象が起きており、先行きが読み切れません。1月のISM製造業景況指数は「50.9」と節目の「50」を超えていました。前月が「47.8」で、ここ6カ月は活動が縮小しているといわれる「50」を下回っていました。先週末に発表された1月のシカゴPMIも「42.9」と大きく落ち込んでおり、今回の上振れはややサプライズです。ISM製造業調査委員会のフィオレ委員長は「指数が今後数カ月も引き続き拡大を示すか、様子見する必要がある」と述べ、「新型コロナウイルスが2月に影響する可能性は高い」と、慎重な姿勢を示しています。(ブルームバーグ)

 依然として新型コロナウイルスの報道一色ですが、まだまだ拡大傾向は続くと見られます。ワクチンの開発に着手しており、昨日はタイで中国人の重症患者に抗ウイルス剤2剤を投与したところ、効果があったとの報告もありますが、まだ決定的な感染拡大を止める手法は見つかっていません。投資家の慎重姿勢も継続されると見らます。本日のドル円は108円20銭~109円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)