新型ウイルスの拡大を懸念する動きからドル円では売り圧力が増し、109円27銭まで下落。その後WHOが緊急事態宣言を見送ったことで109円台半ばまで反発して取引を終える。ユーロドルはECB理事会後売られ、1.1036までユーロ安が進む。マイナス金利政策は当面維持されるとの見方からユーロ売りが強まった。

 株式市場は新型ウイルスの拡大を嫌気する売りが続き、ダウは一時200ドルを超える下げに。WHOが緊急事態宣言を見送ったことで下げ幅を縮小。ダウはマイナス26ドルで、ナスダックは続伸し、最高値を更新。債券は不安定な市場心理を反映し続伸。長期金利は1.73%台に低下。金は反発。原油は3日続落。

新規失業保険申請件数    → 21.1万件
12月景気先行指標総合指数 → -0.3%

ドル/円   109.27 ~ 109.61
ユーロ/ドル 1.1036 ~ 1.1109
ユーロ/円  120.63 ~ 121.74
NYダウ   -26.18 → 29,160.09ドル
GOLD   +8.70  → 1,565.40ドル
WTI    -1.15  → 55.59ドル
米10年国債 -0.038 → 1.731%

本日の注目イベント

日  12月消費者物価指数
日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(12月18日、19日分)
独  独1月製造業PMI(速報値)
独  独1月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏1月サービス業PMI(速報値)
米  1月マークイット製造業PMI(速報値)
米  1月マークイットサービス業PMI(速報値)
米  企業決算 → アメックス
加  カナダ11月小売売上高

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まっていないことで、投資家の慎重な投資スタンスは続いているようです。新型コロナウイルスの感染に関して、世界保健機関(WHO)がどのように判断を下すのか注目されていましたが、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送りました。WHOの事務局長は会見で、「これが中国における緊急事態であることは間違いないが、まだ国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態ではない」と発言し、「しかし、そうなる可能性はある」と述べています。(ブルームバーグ)また、同局長は10日以内に会合を再び開くつもりだが、状況が悪化すれば即座に招集するとも語っています。

 ドル円はNY市場で新型ウイルスの感染拡大を懸念する動きから109円27銭まで売られましたが、WHOが「緊急事態宣言」を見送ったことで109円台半ばまで値を戻しており、NYダウも一時は200ドルを超える下げを見せていましたが、プラスに浮上する場目もあり、この事態に対する投資家の注目度は想定以上に高まっているようです。いずれにしても中国政府の対応と感染拡大を防ぐしかありません。

 ECBは今年最初の理事会を開き現行の、中銀預金金利マイナス0.5%と、債券購入の月額200億ユーロ(約2兆4300億円)の政策を維持することを決め、2003年以来の大規模な金融政策再評価を開始すると宣言しました。今後は、インフレ目標や目標達成に向けたアプローチなど、全ての選択肢が議論の対象になるようです。ラガルド総裁は理事会後の会見で、「いかにして目標を達成するかについて、選択肢を除外することも、あらかじめ想定することも予測することもしない」と発言し、「他のメンバーと同じように私も意見があるが、私の使命は全ての意見を活用することだ」と語っています。開催中のダボス会議では、UBSやABNアムロなど、欧州の主要銀行のCEOは「副作用の大きいマイナス金利は解消すべきだ」といった声で一致していました。ユーロドルはこの発表後下げ足を強め、1.1036前後までユーロ安が進んでいます。

 ドル円はジリジリと下げています。新型コロナウイルスの感染がシンガポールでも確認され、今朝は、日本でも都内で国内2例目となる感染が確認され,投資家心理は悪化しています。ドル円は今月8日に107円65銭まで売られましたが、その水準を底値に110円台を回復し、先週金曜日には110円29銭まで上昇した後下げ足を強めています。この間の値幅は2円64銭になりますが、フィボナッチ・リトレースメントを駆使して下落のめどを確認すると、38.2%が109円28銭となり、昨日のNY市場のドルの安値とほぼ一致しています。この水準で下げ止まった理由もある程度納得できます。半値までの下落を想定すれば108円97銭という水準が導けます。今後ウイルスの感染がどこまで拡大するのかにもよりますが、目先はこの辺りまでの下落も想定しておく必要があるかもしれません。

 本日のドル円は109円10銭~109円80銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)