フライトホールディングス <3753> (東2)は電子決済ソリューションを主力としている。キャッシュレス化の流れが追い風となる。20年3月期は大型案件が寄与して大幅増収・黒字予想である。株価は12月の戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。
 
■電子決済ソリューションが主力
 
 子会社のフライトシステムコンサルティングがシステム開発・保守などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、および電子決済ソリューションなどのサービス事業、イーシー・ライダーがB2B(企業間取引)ECサイト構築システムのECソリューション事業を展開している。
 
 19年3月期のセグメント別売上高構成比は、C&S事業が55%、サービス事業が35%、ECソリューション事業が10%だった。収益はサービス事業の大型案件によって変動する傾向が強い。
 
■サービス事業は電子決済ソリューションを展開
 
 サービス事業は電子決済ソリューション分野で、スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」と、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」シリーズを展開している。
 
 スマートデバイス決済専用アプリ「ペイメント・マイスター」は、iPhoneやiPadをクレジットカード決済端末に利用する大企業向けBtoB決済ソリューションである。ホテル・レストランなど幅広く導入されている。
 
 スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist」は、EMV(接触型ICクレジットカード)決済、コンタクトレスEMV(非接触型ICクレジットカード)決済に対応し、コンタクトレスEMVはMastercardなど国際6ブランドの認定が全て完了している。日本国内の電子マネー決済ではNTTドコモ「iD」に対応し、19年7月にはSuicaなど10種類の交通系ICカード決済に対応した。
 
 スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「incredist Premium」は、全国のソフトバンクショップおよびドコモショップに導入されている。
 
 今後の戦略製品として、据置・モバイル兼用型マルチ決済装置「Incredist Trinity」および「Incredist Trinity Mini」の出荷を開始している。ソフトバンク向け「Incredist Trinity Mini」は19年度~20年度に順次導入予定である。19年10月には、ソニー銀行が発行しているSony Bank WALLETのお知らせに「Incredist Trinity」が使用された。
 
 また19年2月には、米国ID TECH社製「VP6800」を、日本国内の飲料自動販売機や駐車場無人自動精算機などに接続するマルチ決済端末「VP6800・IFC」を発表した。
 
■電子決済ソリューションの展開加速
 
 電子決済ソリューションはキャッシュレス化の流れが追い風となる。18年6月改正割賦販売法施行によって、20年3月末までに磁気カード対応からICカード対応に移行することが義務付けられたため、一般の店舗、タクシーや電車の券売機、屋外に設置されている自動販売機やコインパーキング精算機など、クレジットカードを取り扱う全ての業種で対応が必要となる。
 
 また20年東京五輪や25年大阪万博などの国際イベントを控えて、訪日観光客の決済利便性を向上させるため、日本国内でも非接触クレジットカード決済(正式名称コンタクトレスEMV、通称NFC決済)の普及が迫られている。
 
 こうした状況も背景として、決済種類・ブランドの拡大、電子マネーブランドの拡大、決済端末製品ラインアップの拡充と拡販、決済パートナーの拡大、ストック型ビジネスモデルの拡大など、電子決済ソリューションの展開を加速する方針だ。
 
 18年5月には三井住友カードと包括加盟店契約を締結した。三井住友カードの代行として加盟店開拓・契約締結・管理を行い、継続的に手数料収入が得られるストック型収益となる。中堅カード会社との接続など決済パートナーの拡大を目指す。
 
 19年6月にはGMOフィナンシャルゲート(GMO-FG)と接続開始した。GMO-FGを通じて決済ソリューションの拡販を進める予定で、第一弾として自動精算機向けソリューションを展開する。
 
 19年7月には、ディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> の次世代タクシー配車アプリ「MOV」のタクシー車内決済システムとして「incredist Premium」が採用され、Suicaなど10種類の交通系ICカード決済への対応が決定した。DeNA向け納品は20年春頃から本格化する見込みであり、他のタクシー会社向けの展開も期待される。
 
 またキャッシュレス決済需要が高まっている中小店舗・商店街への対応として、商店街連合会等と協議して決済ソリューションを展開する方針だ。19年8月には、自由が丘の街を中心に各地の商店街連合会や各種団体と連携して決済代行事業を行っているJASPASの株式を取得して資本提携した。
 
 屋内外で使用可能な自動精算機向け「VP6800・IFC」は21年3月期以降の販売本格化が期待される。
 
■ロボット関連も強化
 
 C&S事業は、公共系・音楽配信系・金融系・物流系・放送系などのシステム開発を展開している。業容拡大に向けてトータル物流システム、新しい楽曲配信サービスシステム、クラウドサービス関連の導入支援サービスを重点領域としている。
 
 サービス事業との融合でロボット関連も強化している。ジエナ社と共同開発した法人向けロボットコンテンツ制作・コンテンツマネージメントサービス「Scenaria」は、アプリ開発の経験が無い部署でも簡単にコンテンツの更新ができるソリューションである。ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」や、NTT東日本のデスクトップ型ロボット「Sota」に対応している。
 
 新規分野として18年9月、非接触充電機能搭載ビジネス向けIPテレフォニー用ハンドセット「Elite Station」の販売を開始した。
 
 ECソリューション事業の「EC-Rider B2B」は、卸売・企業間取引に特化したECサイト構築システムである。また伝票処理自動化ソリューションの新製品「OCRider」の拡販も推進する。
 
■20年3月期黒字予想
 
 20年3月期の連結業績予想(11月1日に上方修正)は、売上高が19年3月期比2.8倍の40億円、営業利益が5億60百万円の黒字(19年3月期は4億08百万円の赤字)、経常利益が5億円の黒字(同4億03百万円の赤字)、純利益が3億30百万円の黒字(同4億08百万円の赤字)としている。
 
 第2四半期累計は売上高が11億53百万円、営業利益が1億30百万円の赤字だった。C&S事業の大口案件の進捗遅れ、サービス事業の大口案件の納期変更の影響で赤字が残った。ただし四半期別に見ると、第1四半期の売上高3億21百万円、営業利益2億13百万円の赤字に対して、第2四半期は売上高8億32百万円、営業利益83百万円の黒字となり、収益が大幅改善した。
 
 通期は大型案件が寄与して大幅増収・黒字化予想である。19年6月には、改正割賦販売法に対応した「Incredist Trinity Mini」の大口受注(受注金額は非開示、納期は19年内)も公表している。収益拡大を期待したい。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は12月の戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。1月23日の終値は873円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS34円90銭で算出)は約25倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS36円77銭で算出)は約24倍、時価総額は約83億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)