ドル円は109円台後半で小動き。米中が貿易協議の第1段合意に署名したものの、懐疑的な見方が残りドルの上値を抑えた。ドル円は109円79銭まで下落したが、下値も限られた。ユーロドルは反発。1.1164まで買われ、対円でも122円70銭前後までユーロ高が進む。株式市場は米中の合意文書署名を材料に上昇したが、上げ幅を縮める。ダウは90ドル上昇し、初の2万9千ドル台を達成。債券は続伸。長期金利は1.8%を割込み、1.783%台に。金は3日ぶりに反発。原油は売られ57ドル台に。

12月生産者物価指数      →  0.1%

1月NY連銀製造業景況指数   →  4.8

ドル/円 109.79 ~ 110.01

ユーロ/ドル 1.1141 ~ 1.1164
 
ユーロ/円  122.40 ~ 122.70

NYダウ  +90.55 → 29,030.22ドル

GOLD   +9.40 → 1,554.00ドル

WTI   -0.42  → 57.81ドル

米10年国債 -0.028 → 1.783%


本日の注目イベント

独   独1月消費者物価指数(速報値)
トルコ トルコ中銀政策金利発表
米   新規失業保険申請件数
米   12月小売売上高
米   12月輸入物価指数
米   1月NAHB住宅市場指数
米   企業決算 → モルガン・スタンレー

 米中両国は15日、包括的な貿易協定の第1段階と双方が位置づける合意に署名しました。合意文書は、これまでにメディアが報じていた内容に沿ったもので、特段目新しいものはなかった模様です。中国の企業及び政府機関による米国の技術と企業機密の窃取に対し、中国側が取り締まりを強化するとの公約のほか、対米貿易黒字の縮小に向けた中国による2000億ドル(約22兆円)相当の購入計画の概要などが盛り込まれています。(ブルームバーグ)また、貿易上の優位性を得るための為替操作を中国が控えることや、合意を確実に履行するための制度も合意文書に明記されています。

 署名を終えたトランプ大統領は、「非常に重要で特別な機会だ」と述べ、「これが発効し次第、われわれは第2段階の協議を開始する」と発言し、「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税は直ちに撤廃されるだろう」と言明しました。また為替について、「為替操作については非常に強固な基準がある。通貨の切り下げは非常に強力な制限を受ける」と述べました。第1段階合意により、中国は海賊版の販売阻止の取り組み強化や、企業機密を窃取した者に刑事罰を科すことを義務付けられ、合意発効後30日以内に、公約の履行方法を説明する行動計画を提出するよう求められるなど、今回の合意内容は中国側にとってはかなり厳しいものとなっています。そのためか、署名式に参加したムニューシン財務長官は「これは大勝利だ」と述べたようです。一方、中国の劉鶴副首相は第1段階の合意を、「厳格に履行する」と述べていますが、市場は今回の合意では積み残しも多く、懐疑的に見ている関係者も多いようです。

 地区連銀報告書(べージュブック)が公表され、多くの地域では景気は2019年終盤、緩慢なペースでの拡大を維持したが、製造業では雇用情勢が悪化したことが判明しました。サンフランシスコ地区では、「労働力不足が企業の事業拡大の大きな障害となっている」との報告もあり、12月の失業率が歴史的な低水準と言える3.5%であったように、非製造業では依然として労働力不足が続いていることが報告されていました。

 昨日のドル円はほぼ109円台後半での推移でしたが、徐々に110円台が重くなってきた印象です。ただ、この展開は想定内です。下値も限られており、市場は次の材料を探している状況です。今週はこのような展開から大きく逸脱する可能性はないと見ています。来週は、20日から日銀の決定会合を皮切りにECBの政策会合があり、翌週にはFOMCもあります。その前に、21-24日にはスイスで「世界経済フォーラム」(ダボス会議)が開催されます。今回はトランプ大統領も参加する予定で、ムニューシン財務長官やライトハイザーUSTR代表も参加することになっています。さらに黒田日銀総裁、ラガルドECB総裁、カーニーBOE総裁も出席することになっており、かなりの顔ぶれが揃います。首脳による講演も予定されているようで、今後の為替にも影響がでるかもしれません。本日のドル円は109円50銭から110円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)