中国の経済減速が、ドイツなど欧州諸国や日本をはじめアジアの生産活動に影響している。12月に開催された中国の中央経済工作会議では、「6%成長を死守すべきか」ということについて大論争があったという。大和総研経済調査部 主席研究員の齋藤尚登氏は12月18日、「中国:臭い物(金融リスク)に蓋をする」と題したレポート(全4ページ)を発表し、中央工作会議(12月10日~12日)を前後する時期に中国現地でヒアリングした内容を伝えた。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆2019年12月10日~12日に中央経済工作会議が開催された。現地では6%成長を死守すべきか否かで大論争が巻き起こっていた。死守派は短期的な成長率の底打ち・回復を重視する一方で、6%割れ容認派は中長期的な構造改革と質の高い発展を重視する。中央経済工作会議では安定(ある程度の成長)を第一に、それが保たれている限り、構造改革を推進するとの方針が示された。中国にとって、2020年は第13次5カ年計画の最終年であり、中国共産党・政府は同年を「小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成」を達成する年と位置付けている。こうした要の年であるからこそ、いつも以上に「安定」が最優先されるのであろう。
 
◆中央経済工作会議が2020年の重点政策の二番目に掲げた三大堅塁攻略戦は、リスクの度合いがより高い、あるいは改善が困難な、金融、貧困、環境の順に言及されるのが常であるが、今回の中央経済工作会議では金融リスクが最後に登場した。しかし、金融リスクの防止・解消が進展しているというわけでは決してない。今後、国有企業のさらなる債務急増を伴う政策が実施される場合は、金融リスクを一段と増大させるものとして警戒する必要があろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)