「ドローン」や「フィンテック」、「ウェアラブル」など、これからの成長が期待できるテーマに、低コストで投資できるツールがある。三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Neo(イーマクシス・ネオ)」は、既存のポートフォリオ運用に、「将来の大きな成長に期待した投資という株式投資の夢をプラスする」という。株式投資には、米国のアップルやアマゾンなどのように数十年間で株価が数百倍になるような可能性がある。「eMAXIS Neo」の特徴について、三菱UFJ国際投信 商品マーケティング推進部長の吉田研一氏(写真)に聞いた。

 ――インデックスファンドシリーズ「eMAXIS」に、コストにこだわった「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」、続いて、「eMAXIS Neo」という新シリーズがスタートし、今年5月までに「Neo」ブランドで9本のファンドが設定されました。この新シリーズ設定の狙いは?

 2009年にスタートした「eMAXIS」は、資産運用のベーシック・ツールとなるべく代表的なインデックスに連動するファンドを低コストで提供するシリーズとしてスタートしました。販売手数料無料(ノーロード)、低い信託報酬を特徴として、国内外の株式、債券のインデックスファンドから、REIT、コモディティ、それらを組み合わせたバランス型ファンドとラインアップを拡充しました。

 そして、ベーシックなインデックスファンドについて、徹底的にコストにこだわった資産形成ツールとして設定したのが、「eMAXIS Slim」シリーズです。たとえば、国内株式のTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックスファンドで、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」よりも低い信託報酬のファンドが現れたら、その信託報酬と同程度の信託報酬に改定することを目指します。現在、「Slim」シリーズで一番信託報酬が低いファンドは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の年率0.0968%(税抜 0.088%)と非常に低コストになっています。

 このようなシリーズのコンセプトを評価していただき、多くの銀行・証券会社でお取り扱いいただいた結果、「eMAXIS」はシリーズ全体の純資産総額が4,800億円を超える大きなシリーズになりました。(2019年11月末時点)

 「eMAXIS」の設定から10年が経過し、投資のインフラとなり得るファンドが整ってきましたので、従来のベーシックな運用にプラスαの投資の魅力を付け加える新シリーズとして設定したのが「Neo」です。

 従来の「eMAXIS」シリーズでは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」などの世界の株式への投資を通じて世界経済の成長に投資するファンドに人気がありますが、これらは、世界の実質GDP成長率3%台に沿った成長が期待されるファンドともいえます。一方、「Neo」のテーマにあるように「ドローン」、「フィンテック」など、今後の技術革新によって世界経済の成長率を大幅に上回ると期待される分野はたくさんあります。また、今後、未知の成長産業が出現する可能性も大いにあるでしょう。

 インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などが、急速に普及して私たちの生活を大きく変えてしまったように、新しいテクノロジーに支えられた新産業は大きな変化をもたらし、アップルやアマゾンのような巨大企業を生み出すかもしれません。よく聞く投資の成功話としてアップルの新規上場後(1980年12月)に1000ドル(約11万円)投資していたら、約40年間で現在の価値は約52万ドル(約5700万円)になった。また、アマゾンの新規上場時(1997年5月)に1000ドル投資していたら約25年で約92万ドル(約1億円)になったなどという話がありますが、そのようなワクワクが、新しいテクノロジー企業群への投資にはあると考えます。「Neo」では、そのような魅力的な投資機会を提供しています。

 ――「eMAXIS Neo」の具体的な商品の仕組みは?

 データ分析・機械学習・自然言語処理などのAI(人工知能)技術に強みを持つKENSHO(ケンショー)社が開発したインデックスに連動するように運用します。KENSHO社は、その優れたテクノロジーなどが評価され、現在は米国の大手指数提供会社であるS&P Global Inc.の100%子会社となっています。

 インデックスの構築にあたっては、AIが米国上場企業の膨大な開示資料等を読み込み、各企業がどのテーマに属するかを判断します。そして、例えば、「ドローン」について、それが主要事業である「コア銘柄」と、関連事業である「ノンコア銘柄」に分類し、それぞれを均等に構成した上で、コア銘柄の比率がノンコア銘柄の比率よりも大きくなるように統合してインデックスを作ります。テーマ別インデックスの構成銘柄をみると、「ドローン」が23銘柄、「ナノテクノロジー」が13銘柄、「ロボット」が32銘柄、「フィンテック」が56銘柄など、比較的少数の銘柄をピックアップしてインデックスを作っています。(2019年10月末時点)

 たとえば、株式投資の経験が長い方で、「ドローン」がこれからの物流を変える成長産業になると考えても、その先端企業が数多く上場している米国市場で、約5000銘柄の中から銘柄をピックアップして投資することは難しいと思います。KENSHO社の技術であれば、AIが開示資料等の読み込みを行い銘柄を抽出するため、基幹技術にかかわるキーワードの見落としが少なく、その投資テーマに関係する銘柄を取りこぼすことなく拾い上げることが可能です。

 アクティブファンドマネジャーのように、その銘柄群の中から経営の質等を吟味してより大きく成長する企業を選び抜くというより、産業全体の成長をとらえるという点ではインデックスとしての完成度は高いと考えています。

 KENSHO社のインデックスの中から、日本の投資家に関心をもっていただけるテクノロジーのテーマとして、「ロボット」「遺伝子工学」「宇宙開発」「ドローン」「ナノテクノロジー」「バーチャルリアリティ」「フィンテック」「自動運転」「ウェアラブル」の9本を「eMAXIS Neo」として品ぞろえしました。「Neo」のネーミングに込めたのは、「新しい」「新時代」という未来志向です。
 
 ――「Neo」シリーズの想定される使い方は?

 eMAXISシリーズは投資のインフラとして皆さまの資産形成に活用していただいています。その同じブランドの商品として「Neo」も資産形成のツールの一つとして使っていただけると思っています。

 たとえば、「Slim」シリーズで世界経済の成長をとらえた分散投資のポートフォリオを作っておられる方が、「Neo」シリーズのファンドを追加することにより、全体のポートフォリオのリスク・リターンをより高い位置に引き上げる効果が期待できます。私どもでKENSHO社のインデックスがそろった2016年6月から、直近(2019年10月)までのリスク・リターン(円換算ベース)の関係を調べると、「米国株式(S&P500)」や「先進国株式(MSCIワールドインデックス)」などと比較して、9つのテーマ(インデックス)は、概ねリスクが高く、リターンも高くなる傾向がありました。

 また、各インデックスの構成銘柄を時価総額別構成比率でみると、米国株式や先進国株式と比較して、圧倒的に小型株式の構成比率が高いという特徴があります。これから成長する期待が大きな企業群を組み入れていることになります。したがって、成長のブレは比較的大きいともいえます。

 このような各インデックスの特徴を考えれば、ひとつには、従来のインデックスを使ったベーシックな分散投資ポートフォリオに上乗せするという使い方に加えて、株式投資家の方々に、国際的な成長テーマに投資する手段の一つとして投資していただくという使い方もあると思っています。

 信託報酬は、各ファンドとも税込みで年率0.792%(税抜き0.72%)です。また、購入時手数料がかかりませんので、低コストでテーマ型投資ができるようになっています。これから伸びていくことが期待される産業に投資する新しい投資機会として「Neo」のご活用をご検討ください。