JSP <7942> は発泡プラスチック製品大手である。中期成長ドライバーとして自動車部品用ピーブロックなど、高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。20年3月期は下方修正して減益予想となったが、21年3月期の収益改善を期待したい。株価は8月の年初来安値から下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。
 
■発泡プラスチック製品大手、高機能・高付加価値製品を開発・拡販
 
 発泡プラスチック製品大手である。押出発泡技術をベースとするポリスチレン・ポリエチレン・ポリプロピレンシートなどの押出事業(産業用包装材、食品用包装材、広告用ディスプレー材、住宅用断熱材など)、ビーズ発泡技術をベースとする発泡ポリプロピレン・発泡ポリエチレン・発泡性ポリスチレン製品などのビーズ事業(自動車衝撃緩衝材、家電製品緩衝材、IT製品輸送用通い函など)、その他事業(一般包材など)を展開している。
 
 19年3月期のセグメント別売上高構成比は押出事業36%、ビーズ事業59%、その他5%、営業利益構成比(連結調整前)は押出事業39%、ビーズ事業59%、その他2%だった。自動車部品用発泡ポリプロピレンのピーブロック(英名ARPRO)など高機能・高付加価値製品の拡販を推進している。
 
 収益は販売数量、為替、原油価格、原料価格と販売価格の差であるスプレッド、プロダクトミックスなどが影響する。
 
■20年3月期減益予想だが21年3月期収益改善期待
 
 20年3月期連結業績予想(10月29日に下方修正)は売上高が19年3月期比2.1%減の1137億円、営業利益が3.3%減の53億円、経常利益が7.5%減の54億円、純利益が2.5%減の42億円としている。配当予想は19年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。
 
 第2四半期累計は売上高が前年同期比2.0%減の563億08百万円、営業利益が11.7%減の24億74百万円、経常利益が17.5%減の24億74百万円、純利益が18.4%減の19億17百万円だった。
 
 売上高、利益とも計画を下回り、増収増益予想から一転して減収減益で着地した。押出事業は3.0%減収・11.2%減益、ビーズ事業は0.9%減収・4.1%減益だった。両事業とも高付加価値製品は堅調だったが、食品トレー向けなど汎用品の需要が減少し、高付加価値製品生産対応に伴う減価償却費増加も影響した。
 
 修正後の通期セグメント別計画は、押出事業が2.6%減収・1.5%減益、ビーズ事業が1.4%減収・1.9%増益としている。高付加価値製品の拡販に注力するが、汎用品の需要減少、北米における自動車生産台数減少やGMストライキの影響などを考慮した。20年3月期は減益予想となったが、21年3月期の収益改善を期待したい。
 
■自動車部品用ピーブロック拡販など成長戦略推進
 
 中長期の目標数値は、新中期経営計画「Deeper&Higher2020」で21年3月期売上高1380億円、営業利益110億円、営業利益率8%、経常利益113億円、純利益79億円、長期ビジョン「VISION2027」では28年3月期売上高1800億円、営業利益180億円、営業利益率10%を掲げている。
 
 21年3月期目標の前提条件は為替が1米ドル=113円、1ユーロ=133円、1人民元=17円、原油価格(ドバイ)が1バーレル=55米ドルである。セグメント別目標数値は、押出事業の売上高が467億64百万円で営業利益が33億76百万円、ビーズ事業の売上高が850億43百万円で営業利益が83億93百万円、その他事業の売上高が61億93百万円で営業利益が1億80百万円である。新規事業は計画に含めず、外数として売上高30億円を目指す。
 
 基本方針は、差異化戦略(押出事業のスチレンペーパー、ミラボード、FPD関連保護材ミラマットエース、高断熱材ミラフォーム、ビーズ事業のピーブロック、エレンボールNEOなど)の推進、成長戦略(4つの成長エンジン=自動車部品、建築住宅断熱材、FPD関連保護材、新たな事業領域)の推進、人材育成やコーポレートガバナンス強化など経営基盤の強化としている。
 
 3年合計の設備投資額は約300億円、減価償却費は約180億円の計画である。国内外での自動車部品用ピーブロックの拡販・用途開拓を目指し、生産能力を増強する。
 
 自動車部品用ピーブロックは、自動車軽量化要求に対応する製品として需要が急速に拡大し、日系自動車メーカーのシートコア材などへの採用が広がっている。その他用途を含めたピーブロック販売数量は、21年3月期に18年3月期比約27%増を見込んでいる。中期成長ドライバーとして期待される。
 
 省エネ基準適合義務化対象拡大で需要拡大している「ミラフォーム」については、19年1月関西工場(兵庫県たつの市)の隣接地に新工場が完成した。これにより東西2大生産拠点体制を構築した。新製品ではミラフォーム畳(衝撃緩和型畳床)「ふわり」を発売した。またデンカ <4061> と共同開発した建築構造物向け軽量・不燃ボード「スチロセメン」の早期製品化を目指している。
 
■株価は戻り試す
 
 株価は8月の年初来安値から下値を切り上げている。20年3月期下方修正は織り込み済みの形だ。戻りを試す展開を期待したい。11月22日の終値は1900円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS140円90銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想50円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2691円76銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約597億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)