AMBITION <3300> (東マ)は東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースと投資用マンション開発・販売を主力として、ITを活用した「不動産テック企業」を目指している。20年6月期は上期減益、通期増益予想としている。第1四半期は減益だったが、上期予想に対する進捗率は順調だった。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
 
■東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパー
 
 東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースのプロパティマネジメント事業、および投資用マンション開発・販売のインベスト事業(17年10月子会社化したヴェリタス・インベストメント)を主力として、賃貸仲介、少額短期保険、民泊などの不動産関連事業も展開している。
 
 19年6月期セグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、プロパティマネジメント事業30%、賃貸仲介事業1%、インベスト事業72%、その他▲3%だった。
 
 プロパティマネジメント事業は、不動産所有者から家賃保証付きで借り上げた物件を一般消費者に賃貸するサブリース(転貸)が主力である。東京23区中心に分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションを対象物件としている。19年6月期末時点のサブリース管理戸数は18年6月期末比10.1%増の1万250戸となった。また19年6月末時点の入居率は97.7%と高水準である。
 
 インベスト事業の子会社化ヴェリタス・インベストメントは、都内プレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)を中心に、新築投資用マンションの開発・販売を展開している。分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションが特徴である。
 
 収益面の特性として、インベスト事業の引き渡し戸数・時期によって期間損益が変動する。また入社・転勤等の転居シーズンとなる3月を含む第3四半期(1~3月)の構成比が高い季節要因がある。
 
■管理戸数拡大とIT活用による「不動産テック企業」目指す
 
 長期ビジョンでは目標値に売上高1000億円、営業利益100億円を掲げ、成長戦略としてサブリース管理戸数を拡大するとともに、ITを活用した「不動産テック企業」を目指している。
 
 プロパティマネジメント事業は、子会社化ヴェリタス・インベストメントの開発・販売物件も含めて、物件の適正な価値評価を行いつつ管理戸数拡大を推進する。外国人の流入や法人顧客の社宅などのニーズに対応し、19年4月からの新在留資格運用に伴って外国人入居者受け入れ態勢を強化する。また外出先からでも家電操作できる最新IoT機器「VERIOT」などのサービス提供で物件差別化も推進する。
 
 さらに顧客満足度アップ、営業強化、自社管理物件のIoT化に向けて、PCやスマホを利用した重要事項説明、サイシード社およびコムデザイン社と連携したチャットツールやAIの活用、ナビック社との資本業務提携によるWi-Fiセキュリティサービスなども推進している。
 
 民泊関連ではand factory <7035> と事業協力し、IoTスマートホステル「&AND HOSTEL」を展開している。19年8月には「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」のサブリース契約を締結した。
 
 M&A・アライアンス戦略では、18年4月アクセルラボとIoTサービス共同開発で合意、18年5月RPAテクノロジーズと業務提携して不動産業界の業務効率化を支援するRPA事業に参入、18年10月ビューティ関連サービスのM.I.Tホールディングスに資本参加、18年11月不動産管理会社向け募集支援・業務改善システムのGood不動産と業務提携、18年12月不動産向けシステム開発のPC-DOCTORSを子会社化した。
 
 19年2月レンタルスペース運営や飲食店居抜き物件検索サイト運営のあどばる社と資本業務提携、エンタテインメント事業のビジュアライズと資本業務提携、19年3月企業文書電子化クラウドサービスのペーパーロジックと資本業務提携、19年4月トレジャーファクトリー <3093> と業務提携、複数映像を合成して特殊映像を生成するソフトウェアエンジン開発の2501と資本業務提携した。
 
 19年7月RPAテクノロジーズと不動産業界向けRPA・AI販売の合弁会社Re-Tech設立、19年8月中国人留学生向け大手賃貸事業者「Uhomes」と業務提携、Re-Techが賃貸管理業務効率化システム「賃貸名人」のダンゴネットと業務提携、19年9月Re-TechがNTTドコモ <9437> からRPA業務を受託した。
 
■20年6月期1Q減益だが通期増益予想
 
 20年6月期連結業績予想は、売上高が19年6月期比5.5%増の312億56百万円、営業利益が3.3%増の16億47百万円、経常利益が2.6%増の14億70百万円、純利益が26.1%増の9億29百万円としている。配当予想は19年6月期と同額の25円(期末一括)である。
 
 RPA事業への積極的な先行投資負担などで上期は減益計画だが、プロパティマネジメント事業が堅調に推移し、下期には投資効果による利益成長を見込み、通期増益予想としている。純利益は特別損失減少も寄与する。
 
 なお第1四半期は、売上高が前年同期比9.3%増の69億06百万円、営業利益が40.9%増の1億61百万円、経常利益が45.8%減の1億23百万円、純利益が70.8%減の37百万円だった。プロパティマネジメント事業は管理戸数の増加(1007戸増加の1万638戸)で7.0%増収・47.9%増益、インベスト事業は物件売却の増加(27件増加の110件)で12.6%増収だが25.2%減益だった。
 
 上期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高48.0%、営業利益49.2%と順調だった。通期ベースで収益拡大を期待したい。
 
■株価は調整一巡
 
 株価は上値の重い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。11月22日の終値は998円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS136円59銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS380円39銭で算出)は約2.6倍、時価総額は約68億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)