中国経済の成長が一段と鈍化している。小売売上の減速など、内需の不振が目立ってきた。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は10月18日、「減速続く中国経済、19年7~9月は6.0%成長」と題するレポート(全6ページ)を発表し、中国経済の現状を分析した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆国家統計局によると、2019年7月~9月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.0%(以下、変化率は前年同月比、前年同期比、前年比)と、1月~3月の6.4%、4月~6月の6.2%から低下した。1月~9月の実質GDP成長率は6.2%となり、年間の政府目標である6.0%~6.5%の範囲内にとどまっている。計算上は10月~12月は5.4%で年間6.0%の実質成長が可能であり、政府目標達成の可能性は高い。
 
◆10月10日、11日の米中閣僚級協議では、中国が米国からの農産物輸入を大幅に増やし、為替政策の透明性を高めることなどで部分的な合意に達した。米国は中国に対する為替操作国認定の解除を検討し、10月15日に予定されていた中国からの輸入品2,500億ドル分に対する追加関税率の引き上げ(25%⇒30%)を先送りにした。今後は、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)における米中首脳会談で合意文書に署名がなされるか、そして12月15日に予定される第4弾(保留分)の追加関税賦課が回避されるかが注目される。米中摩擦問題が「凪」の時に、中国が景気テコ入れ策を本格化すれば、底入れ期待が高まることになろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)