イトーキ <7972> は、前日9日に1円安の461円と4営業日ぶりに小反落して引けた。日経平均株価が、米中貿易協議の合意期待の後退で131円安と反落したことが響き、年初来安値391円から70円高水準にある同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、今年10月1日に実施した自己株式立会外買付取引に加えて、ゲーム用チェア「EVANGELION CHAIR(エヴァンゲリオン チェア)」や減災建材「高耐震間仕切G」などの新商品の発売を手掛かりに、低位値ごろ妙味があるとして割安株買いが続いた。今2019年12月期業績が、2ケタの増益転換と予想されていることも見直され、ベース材料となっている。
 
■ゲームチェアをeスポーツ向けに拡販し高耐震間仕切りも自治体向けに売り込む
 
 自己株式立会外買付取引は、経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にすることを目的にして買付価格を447円、取得上限を11万株(発行済み株式総数の0.24%)、取得総額を4917万円として計画され、10月1日に取得株数10万3100株、取得金額4608万円として終了した。この自己株式取得は、同社が、自社の株価を売ら過ぎとしているとのアナウンス効果もあって株価は上昇反応をした。
 
 一方、「EVANGELION CHAIR」は、人気アニメ「エヴァンゲリオン」をコラボレーションして同アニメのキャラクターをイメージしたeスポーツ向けのゲーム用チェアで、今年9月14日に一般公開された「東京ゲームショウ2019」に同チェア用のカーペットとともに初出展された。eスポーツは、今年9月28日から開催された茨城国体の文化プログラムとして初めて「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」が実施されるなど認知度も人気も高まっており、同スポーツ向けに売り込みを積極化させる。また「高耐震間仕切G」は、震度7の地震が2回連続しても倒壊しない間仕切で、すでに販売している後付け施工が可能な転倒防止ユニット「エルフォース」と合わせ、大地震発生時の被災対策の司令塔となる自治体庁舎での活用・普及を図っていく。
 
 業績実態面でも今12月期通期業績は、売り上げ1230億円(前期比3.6%増)、営業利益31億円(同60.8%増)、経常利益30億円(同26.7%増)、純利益17億円(同1.5%減)と予想されており、純利益は、前期に計上した固定資産売却益が剥落して小幅減益転換するが、営業利益、経常利益はV字回復する。「働き方改革」のワーキングショールーム機能を持たせた新本社オフィス「TOKYO XORK」による商談創出によるテレワーク関連商品などの需要取り込み、相次ぐ新製品の開発・販売が寄与する。
 
■自己株式買付価格を固めて低PER・PBR修正で年初来高値奪回に再発進
 
 株価は、今年6月につけた年初来安値391円から今期第2四半期業績の通期業績対比の高進捗率着地や「東京オリンピック・パラリンピック」の1年前のテスト本番として実施された「テレワーク・デイズ2019」の関連人気などで400円台に乗せ、自己株式立会外買付取引実施とともに464円まで上値を伸ばした。足元では、買付価格から上放れる動きを強めているが、PERは12倍台、PBRは0.45倍、配当利回りは2.81%となお割安水準に放置されている。年初来高値638円奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)