前日に続き、ISM非製造業景況指数も予想を下回っていたことでドル円は一段と下げ、106円48銭までドル安に。長期金利が急低下したことでドル売りが加速したが、その後107円手前まで戻して引ける。ユーロドルは1.10前後までドル安ユーロ高が進む。ドルに対してユーロは買われたものの、上昇のテンポは緩やか。

 株式市場は朝方続落して始まったが、値ごろ感から買いが入り3主要指数とも3日ぶりに反発。債券市場は続伸し、長期金利は一時1.50%台まで低下。金は3日続伸。一方景気の減速観測から原油は8日続落。


新規失業保険申請件数    → 21.9万件
9月ISM非製造業景況指数 → 52.6

ドル/円   106.48 ~ 107.12
ユーロ/ドル 1.0948 ~ 1.0999
ユーロ/円  117.07 ~ 117.43
NYダウ   +122.42 → 26,201.04ドル
GOLD   +5.90   → 1,513.80ドル
WTI    -0.19   → 52.45ドル
米10年国債 -0.065  → 1.534%

本日の注目イベント

豪  8月小売売上高
米  9月雇用統計
米  8月貿易収支
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米  パウエル・FRB議長講演
加  8月貿易収支


 昨日のこの欄でも述べたように、注目されたISM非製造業景況指数でしたが、結果は低調で、発表直後から米長期金利が急低下し、ドル円も106円台半ばを割り込む水準まで売られました。その後米株価がプラスに転じたことで、ドル円も106円台後半まで戻っていますが、本日の雇用統計がますます重要な地位を占めてきました。

 ISMが発表した9月の非製造業景況指数は、市場予想の「55」を大きく下回る「52.6」となり、節目の「50」は上回っていたものの、約3年ぶりの低水準でした。新規受注と景況指数の伸びが急低下し、雇用指数は過去5年余りで最低水準を記録しています。製造業の鈍化は以前から指摘されていたものの、これでサービス業にもその影響が波及し、「採用担当者間で、守りの姿勢が強まった」と、ブルームバーグエコノミストは分析しています。今夜発表される9月の雇用者数は14万5000人の増加と予想されていますが、予想を下回るとの声が増えています。

 製造業と非製造業での低調な結果を受けて、金利先物市場ではFRBがリセッション回避を図るため年内あと2回の利下げを行うのではとの観測が浮上しています。今月FOMCでの利下げ確率は85.3%まで上昇してきており、12月の利下げ確率も59%になっています。今夜の雇用統計が軟調であれば、この確率もさらに上昇するものと思われます。年内のFOMCは今月29-30日に開催され、12月は10-11日に行われます。年内2回ということは、残りの会合全てで利下げが行われるということになり、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は1.25%~1.50%になるということになります。

 トランプ大統領はバイデン前副大統領と息子のハンター・バイデン氏に関する調査を、中国の習近平主席は開始するべきだと、ホワイトハウスで記者団に述べています。中国が「長年わが国を食い物にしてきた好条件の取り決め」にあずかったのは、バイデン親子に理由があるかもしれないと、証拠を示さず話したようです。(ブルームバーグ)

 ドル円は52日移動平均線を下抜け、昨日この欄で指摘したように、一目均衡表の「雲」に入って来ました。連日あれだけ予想を下回る指標が発表され、長期金利が急低下する状況の中では、ドル売りが強まるのも当然と言えます。「米景気は相対的に好調で、製造業は軟調だが、個人消費が景気を支えている」と言われてきた、この構図が今後崩れるのかが焦点です。

 FRBが今月のFOMCで利下げに動く可能性が高まってきましたが、今月30-31日に開催される日銀決定会合でも、今度は日銀も動く可能性が高まっています。日銀は今月の会合で、景気と消費の状況を再検証すると述べており、黒田総裁も政策を変更するとすれば、長短金利を動かす可能性を排除していません。9月は日米欧中銀による金融政策が最も注目されたイベントでしたが、今月再びその雰囲気が高まってきました。

 昨日は今年5番目の大きさとなる大幅な下げを記録した日経平均株価でしたが、本日は米国株が反発したこともあり、上昇を見込める可能性もあります。ただ、円高が進んでいることから大幅な反発は望めないと思われ、ドル円が再びNYでの下値を試すような動きになると、「続落」ということもないとは言えません。

 本日のドル円は106円30銭~107円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)