米ADP雇用者数の発表を受けドル円はさらに下落。9月の雇用者数が予想を下回ったことに加え、8月分も下方修正されたことでリスクオフが進み、ドル円は107円05銭まで売られる。ユーロドルも続伸し、1.0963前後まで上昇。株式市場は景気減速の可能性が一段と高まったとして、大幅に続落。ダウは494ドル下げ、ナスダックも123ポイント下落。リスクオフの流れが一段と強まり、安全資産の債券が買われ、長期金利は1.60%台を割り込む。ドル安が進んだことで金は続伸し、1500ドルの大台を回復。在庫が予想よりも増加していたことを材料に原油は4日続落。

9月ADP雇用者数     →  13.5万人

ドル/円 107.05 ~ 107.60

ユーロ/ドル 1.0916 ~ 1.0963
 
ユーロ/円 117.32 ~ 117.64

NYダウ  -494.42 → 26,078.62ドル

GOLD   +18.90  → 1,507.90ドル

WTI  -0.98  → 52.64ドル

米10年国債  -0.036  → 1.599%


本日の注目イベント

豪 8月貿易収支
欧 ユーロ圏9月総合PMI(改定値)
欧 ユーロ圏9月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏8月生産者物価指数
欧 ユーロ圏8月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 9月ISM非製造業景況指数
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演

 予想を下回る米経済指標が続いたことで、米景気減速が一段と進んでいるとの見方から、リスクオフの流れが加速しています。ドル円は、昨日この欄で触れたレジスタンスラインの下限である、107円30銭前後を割り込み107円05銭まで円高が進みました。9月のADP雇用者数が事前予想の「14万人」に対して、「13.5万人」と、予想を若干下回っていました。この程度の差は驚くほどのことはありませんが、市場はむしろ、8月分の下方修正に対して敏感に反応したようです。

 ADP雇用者数は、オートマティック・データ・プロセッシングという給与明細のアウトソーシングを受ける会社が発表する民間部門だけに限った雇用統計です。企業が雇用者を一人増やせば、給与明細も一枚増え、解雇されれば一枚減るという具合に、給与明細の数から雇用者の増減を集計しようとするものです。8月分は「19.5万人」から「15.7万人」に下方修正されました。前日にISM製造業景況指数が10年ぶりの低水準を示したこともあり、米景気減速の可能性が一段と高まったことから株価の大幅下落につながっています。ダウは2日間で800ドルを超える大幅安に見舞われ、米長期金利は9月9日以来の1.6%割れとなりました。

 リスクオフの流れから円と、米国債、さらには金が買われ、一方リスク資産の株やドルが売られ、景気の減速から原油も売られています。米経済指標にはこれまで以上の注目が集まっていますが、今夜もISM非製造業景況指数の発表があります。8月は製造業が予想を大きく下回ったものの、非製造業が予想を上回ったことで景気減速懸念は一旦後退しましたが、今夜の指標発表には一段と関心が高まっていると言えます。そして、明日には9月の雇用統計が発表され、こちらもさらに注目を集めることになります。連日の低調な経済指標の発表を受けて、金利先物市場では利下げを織り込む動きも強まってきました。今月のFOMCで25ベーシスの利下げを行う確率は、昨日は62.5%でしたが、今朝は73.4%まで上昇しています。明日の雇用統計がさらに低調だと、この確率はさらに高まることになります。

 ジョンソン英首相はEUに新たな離脱案を提出しましたが、この提案にEUが関心を示さない場合には合意なき離脱に進む意志を表明し、昨日行われた保守党大会では2021年にはEUとの関税同盟から離脱する方針を発表しています。一方新たな離脱案を受け取った欧州委員会のユンケル委員長は、「提案には問題点があり、さらなる作業が必要」との認識を示しています。(ブルームバーグ)連日熱戦を繰り広げている「ラグビー・ワールドカップ」では、アイルランドチームは「英領北アイルランド」の選手も含め統一チームとして試合に臨んでいますが、EUとの関税同盟を離脱した場合、EUに加盟しているアイルランドと英領北アイルランドの関税問題はどのようにするのか、課題は残ります。

 ドル円は徐々に切り下がって、足元では「52日移動平均線」まで迫ってきました。9月24日、25日の下落もこの線に止められた格好になっており、107円前後が重要な下値のメドの一つと言えます。上でも述べたように今日と明日の経済指標の結果次第ということになりますが、107円を割り込むようだと、次のサポートは106円30銭~106円80銭にある一目均衡表の「支持帯」(雲)ということになります。昨日の日本株は米国株の大幅下落の割には106円安と、健闘していました。本日は米国株の、さらに大幅な下落を受けて、どの位の下げを見せるのか注目されます。シカゴ先物市場では400円ほどの下げを見せています。本日のドル円は106円60銭~107円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)