中国の経済成長が鈍化している要因の1つとして、消費が低迷していることがあげられる。特に、自動車販売の不振が目立っている。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は9月6日、「中国:消費ブーム終焉の構造的な要因」と題したレポート(全7ページ)を発表し、中国の消費市場が低迷している理由を考察した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆消費減速の長期化にはいくつかの要因がある。具体的には、(1)中国経済の高速成長が2010年前後に終焉を迎え、所得の伸び率も低下傾向が続いたこと、(2)2009年2月~2013年1月に実施された「家電下郷」などを契機に農村での家電普及が加速した結果、都市・農村ともに主要な家電の新規需要が一巡したこと、(3)不動産価格の高騰により、住宅ローン負担や家賃負担が増大し、消費余力が低下したこと、などである。
 
◆昨年来の自動車販売の不振は、(1)2017年末の車両購入税減税の終了による反動減、(2)株価の大幅下落によるマイナスの資産効果、(3)米中摩擦の深刻化による景気や所得の先行きに関する不透明感の増幅、さらには、(4)デレバレッジ(負債率の引き下げ)の強化による中小・零細企業の資金繰りの悪化や、P2P金融プラットフォーム(ネット上で資金の貸し手と借り手を結び付ける金融プラットフォーム)の経営破綻、などが影響していよう。
 
◆今後について、自動車と家電の販売促進策(補助金政策)が全国的に始まる可能性があり、注目される。消費刺激策は開始後3年間が予定されている。ただし、需要を先食いすれば、当然のことながらその先には反動減が待っている。消費の下支え効果は期間限定となろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)