ドル円は小幅に下落。イタリアのコンテ首相が辞意を表明したことで、イタリアの政局不安から円が買われた。ドル円は106円17銭まで下落したが重要イベントを控え動きは緩慢。ユーロドルは水準を下げ1.1065まで下落。イタリアの政治的リスクが意識され上値を切り下げる。

 株式市場は反落。欧州の政治的リスクが意識され、ダウは117ドル下落。債券相場は上昇。イタリアの政局不安から、イタリアやドイツの債券が買われ、米国債にも買いが集まる。長期金利が1.55%台まで低下。金は3日ぶりに反発、原油も小幅ながら反発。

ドル/円   106.17 ~ 106.47
ユーロ/ドル 1.1065 ~ 1.1106
ユーロ/円  117.57 ~ 118.04
NYダウ   -173.35 → 25,962.44ドル
GOLD   +4.10   → 1,515.70ドル
WTI    +0.13   → 56.34ドル
米10年国債 -0.051  → 1.555%

本日の注目イベント

米  FOMC議事録(7月30-31日分)
米  7月中古住宅販売件数
米  日米貿易交渉の閣僚会議(ワシントン、22日まで)
加  カナダ7月消費者物価指数

 今週末に「ジャクソンホール」でパウエル議長の講演を控えていることもあり、ドル円は106円台でもみ合いが続いています。米長期金利はある程度の動きを見せるものの、ドル円の反応はいまひとつぱっとしません。もっとも昨日は特段経済指標の発表もなく、動きにくい面はありました。やや材料になったのが、イタリアの政局不安でした。

 イタリアのコンテ首相は20日、マッタレッラ大統領に辞表を提出しました。コンテ氏はサルビーニ副首相が解散総選挙を求めていたことについて、利己的で無責任だと非難し、毎年選挙を実施するのはイタリアの利益にならないと指摘し、その上でコンテ氏は現政権の活動は、「これをもって終了する」と表明しました。イタリアの政治的リスクが再び表面化したことで、昨日はイタリア国債だけではなく、ドイツ国債も買われ、金利が低下しています。これら一連の流れから米国債にも買いが入り、金利低下、ドル円下落と、いつものリスク回避の流れが進んでいます。今後は、マッタレッラ大統領があらたな連立に向けた協議をどこまでリードできるかどうかにかかっているようです。

 もっとも、イタリアの政局不安は今に始まったことではなく、この先市場の関心がそれほど高まるとは思えません。現時点では、やはり今週末の「ジャクソンホール」でパウエル議長がどのような内容の発言を行うのかが最大の関心事です。発言次第では9月のFOMCでの利下げ幅が50bpになる可能性も十分あると考えます。利下げ幅を巡っては、トランプ大統領が引き続き圧力をかけています。19日は、「米政策金利はかなり短期間に少なくとも100bp引き下げられるべきだ。恐らく何らかの量的緩和も伴うべきだ」と具体的な下げ幅にも言及し、この日は「量的緩和」という言葉もツイートしています。

 また昨日も同じように、「米利下げを目にしたい。ずいぶん前にしていなければならなかったからだ」(ブルームバーグ)と述べ、圧力をかけ続けています。仮にトランプ氏が求めるように今後1%の利下げがあるようなら、米国株が買われ、株式市場に再び安心感が戻ってきます。トランプ氏にとって、大統領選を有利に進めるためには、株価の上昇は喉から手が出るほど欲しいといったところでしょう。全ての言動が2020年大統領選での勝利につながっていると見られます。

 ドル円は上記「「ジャクソンホール」までは106円台で推移しそうな気配です。ただユーロドルが再び下値を試す動きになっています。イタリアのあらたな政局不安という材料が出て来たこともありますが、8月1日に記録した直近安値である1.1027を割り込むようなら、ドル円も107円近辺までドル高が進むことも考えられます。ユーロドルの動きにも目配りが必要です。

 本日のドル円は105円90銭~106円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)