ドル円は105円台では底堅い動きを見せたものの、上値は依然として重い印象。米長期金利が一段と低下したが、この日のドル円の底値は105円80銭止まり。ユーロドルは小幅に続落し、約2週間ぶりに1.11を割り込み、1.1092まで下落。株式市場は前日の混乱の余波が残り上下を繰り返したが、ダウは99ドル高で引ける。ナスダックは続落し、S&P500は小幅に反発。

債券相場は続伸し、長期金利は3年ぶりに1.5%を下回る。

金は続伸し、原油は続落。

7月小売売上高             →  0.7%

 新規失業保険申請件           →  22.0万件

8月フィラデルフィア連銀景況指数    →  16.8

7月鉱工業生産             →  -0.2%

7月設備稼働率             →  77.5%

8月NAHB住宅価格指数        →  66     



ドル/円 105.80 ~ 106.35

ユーロ/ドル 1.1092~ 1.1154
 
ユーロ/円 117.62 ~ 118.55

NYダウ +99.97 → 25,579.39ドル

GOLD  +3.40  → 1,531.20ドル

WTI   -0.76  → 54.47ドル

米10年国債  -0.052 → 1.527%


本日の注目イベント

欧   ユーロ圏6月貿易収支
欧   OPEC月報
米   7月住宅着工件数
米   7月建設許可件数
米   8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)


 ドル円は動きがやや不透明になってきました。ここ数日の動きは、105円台後半から一気に107円手前まで反発しましたが、その後再び105円台半ばまで売られ、昨日の東京時間では105円90-95銭でほとんど動かず、「お盆休み相場」の様相を見せていたと思いきや、午後3時半過ぎには105円台後半から、わずか5分程度で106円78銭までドルが急騰しています。昨日のこの動きについて原因を調べてみたら、東北地方で地震があっただけで、それ以外の材料はなかったようです。この材料だけで80銭も動くとは思えませんが、ドル円はボラも上がっており、足元では本来動きの大きいユーロドルよりも値幅が大きいのが現状です。

 前日は米債券市場で発生した「逆イールド」が話題の中心で、米景気もリセッションになるといった見方が、為替、株、金、その他商品相場の方向性を決定付けました。個人的には現時点では、米景気がリセッションに入る可能性はかなり低いと考えています。昨日発表された7月の小売売上高は予想を大きく上回る「0.7%」でした。個人消費は米GDPに占める割合が大きいだけに、第2四半期GDPへの期待も膨らみます。小売売上高はこれで5カ月連続のプラスです。この間の株価は上昇しており、資産効果の影響もあったかと思いますが、低失業率が続き、賃金も上昇していることが、個人の財布の紐を緩めていると推察されます。ブル-ムバーグによると、主要13項目のうち10項目が増加し、オンラインショッピングを含む無店舗小売が2.8%増加した。アマゾン・ドット・コムの会員向けセール「プライムデー」に支えられた可能性があると分析しています。少なくも個人消費が活発であれば、リセッションに陥る可能性は低いと考えられますが、株価の雲行きが怪しくなってきたことと、「逆イールド」発生後にリセッションに陥るタイミングは平均でも1年6カ月後との分析もあり、まだ分かりません。

 米中貿易戦争に関するニュースは昨日もありましたが、材料にはなっていないようです。トランプ大統領は、中国とのいかなる通商合意も「われわれの条件」に基づくものでなければならないと、譲歩する意思のないことを表明していますが、習近平主席と貿易に関して近く電話協議を行う予定であるとも述べています。トランプ氏は政権が中国側と非常に良い話し合いをしており、「生産的だ」と発言し、「彼らは何か行いたいのだ」と語っています。このまま事態が進展しないと、中国に対する関税引き上げ対象品目が一部延期されたとしても、多くの品目に9月1日から10%の関税が課せられることになります。中国としても何とかそれを避けるため、トランプ氏と直接話し合いたいということなのでしょう。何が「生産的」なのかは分かりませんが、中国側が最後の最後に譲歩してくることもあるかもしれません。残された時間はあと2週間です。

 米長期金利がさらに低下しています。昨日のNY債券市場では債券が一段と買われ、長期金利は一時1.47%台まで低下しました。引け値では1.5%台を回復しましたが、3年ぶりの低水準を記録しています。もっとも、その割にはドル円が売られていません。米債券が買われて金利が低下しているのは、かならずしも、質への逃避(Flight to quality)という側面だけではないようです。ブルームバーグ・バークレーズ・グローバル・マイナス利回り指数では、世界のマイナス利回り債券残高は過去最高を更新しており、その額は14日の終値で16兆ドル(約1670兆円)を突破しています。15兆ドルを超えたのが先週だったので、わずか1週間で1兆ドル相当の債券がマイナス利回りに沈んだことになります。このような情況の中、米国10年債はまだプラスどころか、1.5%の利回りです。世界中から米国債に資金が集まってくるのは当然と言えます。世界的な金融緩和傾向が終わらない限り、米金利の低下傾向に終止符が打たれないのかもしれません。本日のドル円は105円50銭~106円50銭程を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)