ドル円は前日の上昇から一転し大きく売られる。NYダウが800ドルを超える下落を見せ、米長期金利が1.57%台まで急低下したことで、ドルは105円65銭まで下落。ユーロドルは小幅に下落。ユーロ円の売りが相場を押し下げ、1.1131までユーロ安が進む。ユーロ円も117円78銭前後まで下げる。株式市場は主要3指数とも3%近く下げ、ダウは800ドル安と、今年最大の下げに。米債券市場で「逆イールド」が発生するなど、
景気後退懸念が再燃。債券相場は急騰し10年債利回りは1.57%台へと急低下。2年債が1.6%台と、10年債を上回る。金は反発し、原油価格は大幅に反落。

7月輸入物価指数 → 0.2%

ドル/円105.65 ~ 106.11

ユーロ/ドル1.1131 ~ 1.1190
 
ユーロ/円117.78 ~ 118.55

NYダウ-800.49 → 25,479.42ドル

GOLD+13.70 → 1,527.80ドル

WTI-1.87 → 55.23ドル

米10年国債-0.124 → 1.579%

本日の注目イベント

豪   豪7月雇用統計
日   6月鉱工業生産(確定値)
米   7月小売売上高
米   新規失業保険申請件数
米   8月フィラデルフィア連銀景況指数
米   7月鉱工業生産
米   7月設備稼働率
米   8月FHFA住宅価格指数
米   企業決算 → アリババ、エヌビデア、ウォルマート

 前日のNY市場で米中貿易を巡る明るいニュースが出たことで、107円手前までドル高が進んだものの、その流れはわずか1日で終わったようです。昨日のNYでは、世界的な景気減速が材料となり、米10年債利回りと2年債利回りが逆転する、「逆イールド」が発生したことで、近い将来に米国がリセッションに陥るとの観測が台頭。これが株価を押し下げ、NYダウは今年最大の下げとなる800ドルの下落でした。ドル円は長期金利の低下に押され、105円65銭まで売られ、前日の上昇分をほぼ吐き出した格好です。

 米債券利回りの「逆イールド」はすでに3カ月物や3年債などでも見られましたが、「本命」の2年債との逆転は、実に12年ぶりのことです。10年債と2年債で「逆イールド」が発生すると、その後数年以内にリセッション入りしていることは、過去の事実が示しています。リセッションを巡っては、セントルイス連銀のブラード総裁が昨日、「失業率は50年ぶりの低水準に近い。インフレ率は低位で安定している。やや低過ぎだと私は主張してきたが、基本的には低位安定だ。米景気はリセションではない。よって、将来を戦略的に考えるのに適した時期だ」と述べ、日本では20年にわたって低金利が続き、その間低インフレやマイナスが続いたことを例にあげ、「そうしたわなを回避する方法は何か。それが今回の枠組み見直しでの重要な課題だと思われる」と語っています。(ブルームバーグ)

 またトランプ大統領もFRBの政策を批判し、「(パウエル議長は)何も分かっていない」し、「中国は米国の問題ではない。香港の状況は良くないが、米国の問題は米金融当局だ。過去の利上げは幅もスピードも行き過ぎていた」とツイートし、さらに別のツイートで、「スプレッド(利回り差)はあまりに大きく、何も分かっていない。パウエル議長とFRBに他国は感謝している。ドイツなど多くの国はゲームに興じている!クレージーな逆イールドカーブ!われわれは簡単に大きな報酬と利益を手に入れるはずなのに、FRBがわれわれの妨げになっている。われわれは勝つだろう」(ブルームバーグ)と、一段と批判のトーンを上げています。トランプ氏は以前にも、「われわれの問題は中国ではない、FRBだ」と述べたこともあり、FRBに対する圧力をさらに強めています。

 米国がこの後リセッションに入るのかどうかは、今しばらく経済データを読み解く必要がありますが、FRBは9月の会合では少なくとも25bpの利下げは避けられないと思います。個人的には50bpの利下げも十分考えられる情況になってきたと感じます。それにしても、昨日の金融・商品市場の動きは鮮烈でした。デスクの上にあるブルームバーグ専用の画面では、「デイブレイク」というページがあり、今朝そこには「新たな警報・・・・米英で逆イールド。米政権、中国に譲歩する用意ない・・・ナバロ氏」との文字が踊っており、その背景には黒い雲が湧き上がり、暗雲急を告げている構図になっています。本日も日本株の大幅な下げは避けられないところでしょう。ひょっとしたら日経平均株価が2万円の攻防になるかもしれません。そこまで売られることはないとしても、この先好材料は見当たりません。ドル円も105円05銭前後が壁になっていますが、米長期金利の低下傾向が続いていることから、「3度目の正直」の可能性も否定できません。予想レンジは105円~106円20銭といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)