「年金2000万円不足問題」が注目を集めた関係もあるのか、各地で展開されている資産運用セミナーが賑わっている。日本証券業協会が主催する「はじめての資産運用講座」は受講者募集から数日で定員に達するところが多い。夏休み時期には、親子で参加するセミナーも企画されている。そして、秋には投資信託協会が主催する「投資信託セミナー」、モーニンングスターが開催する日本で最大規模の資産運用イベントである「投信EXPO」も開催される。いずれも、参加費は無料のセミナーだ。自分自身の老後を、より不安なく迎えるため、まずは情報を集めることから始めてみたい。
 
 なぜ、これほど資産運用が注目されるのだろう。一つには、老後に「2000万円不足する」という大きな金額が出てきたことがあるだろう。1年、2年で貯めるのは難しいので20年、30年をかけてコツコツ貯めていくことになる。ただ、単純に預貯金で貯めていこうとすると、毎月3万円を貯めても30年間で1080万円にしかならない。しかし、資産運用を行って年率平均3%で運用できれば、同じ毎月3万円でも30年間で1740万円になる(非課税口座を利用した場合)。運用することのメリットとリスクをしっかり理解して、年金への備えをしていきたい。
 
 日証協の「はじめての資産運用講座」は、「証券投資未経験者・初心者の方」を対象に、将来の「お金」に漠然とした不安を持って何かを始めたい時に、まずは知っておきたい基礎知識を金融・証券インストラクターが分かりやすく教えてくれる。「資産運用とは?」というそもそもの話から、「株式」「債券」「投資信託」など金融商品の基礎知識や選び方、そして、お得な資産形成支援制度であるNISA(少額投資非課税口座)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の活用方法なども具体的に説明する。セミナーは全国各地で開催され、詳しくは専用のセミナーサイト「e-104.net(イートーシ・ネット)」で紹介している。
 
 投信協が開催する「投資信託セミナー」は、8月31日(土)に鹿児島、9月7日(土)に名古屋で予定されている。鹿児島会場では元プロ野球選手の松永浩美氏が特別講演。名古屋会場では落語家の春風亭昇々氏が「お金と落語」でトークショーを展開する予定。その後、FP(フィナンシャルプランナー)や資産運用会社から、資産運用に関するパネルディスカッションが予定されている。詳しくは、投資信託協会の公式ホームページのセミナー情報に紹介されている。
 
 そして、今年の「投信EXPO」は9月14日(土)に、東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される。毎年3000人ほどの来場者で賑わう日本最大級の資産運用のイベントだ。このイベントが注目されるのは、国内外の有力な運用会社が20社以上集結し、直接話を聞ける機会になっていること。基調講演には慶應義塾大学名誉教授で東洋大学教授である竹中平蔵氏、そして、モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏が立つが、その他、運用会社各社から旬なテーマでワンポイントセミナーが数々予定されている。
 
 また、運用会社がそれぞれにブースを設置し、商品説明や資産運用に関する提案等を行っている。日頃気になっている資産運用に関する疑問等があれば、運用会社のブースで直接聞いてみることも可能だ。朝9時30分の受付開始から、16時20分の閉会まで、ほぼ1日中、資産運用に関する話題が展開される特別な1日になる。来場者には先着1000名に朝倉氏の最新著書がプレゼントされるほか、豪華景品が当たるスタンプラリーも行われる。
 
 さらに、今年は、東京の会場に来場できなかった人が、インターネットを通じてセミナーの内容を視聴できるライブ配信が予定されている。様々な運用会社が提供する資産運用のアイデアについて自宅でゆっくり話を聞くこともできる。
 
 資産運用について自分自身で調べて学ぶという方法もあるが、専門家から話を聞くことで、思わぬ発見があるかもしれない。資産運用の世界は広く、運用の進め方は人それぞれだ。まずは情報を集めるにあたって、金融機関の業界団体である日本証券業協会や投資信託協会、そして、投信評価機関であるモーニングスターが開催するセミナーは、特定の商品を推奨するようなこともないため、良い機会になるだろう。(写真は、昨年の「投信EXPO」の会場風景)