大和総研は、中国の経済成長率の低下に歯止めがかかっていないとして、2019年の中国の成長率予想を6.3%から6.2%に引き下げた。経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は7月23日、「中国:景気テコ入れ、本気モードに転換か」と題するレポート(全9ページ)を発表し、歯止めがかからない景気減速に、預金準備率の引き下げやインフラ投資の加速など、景気テコ入れ策を打ってくるだろうと見通した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆国家統計局によると、2019年4月~6月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.2%(以下、変化率は前年同月比、前年同期比、前年比)と、1月~3月の6.4%から低下した。2018年1月~3月の6.8%成長を直近のピークとする成長率の低下傾向に歯止めはかかっていない。大和総研は2019年の成長率を6.3%と予想していたが、これを6.2%に引き下げる。
 
◆2019年の政府成長率目標は6.0%~6.5%であり、1月~6月の6.3%成長は目標範囲内にある。中国共産党・政府は2020年のGDPを2010年比で実質2倍にすることを国民への公約としており、その達成には、2019年、2020年にそれぞれ6.1%強の実質成長が必要となる計算である。ただし、このまま景気減速が続くと、目標達成が覚束なくなり、近いうちにより本格的な景気対策を打つ必要性が高まっている。
 
◆大和総研では、(1)現在大手行で13.5%の預金準備率の引き下げ(1%ptの引き下げで1.5兆元程度の貸出増加が可能)、(2)インフラ投資のさらなる加速、(3)自動車・家電の補助金支給による購入・買い替え促進など、景気テコ入れに打てる手は残されていると考えている。(2)は債務のさらなる増大と将来的な金融リスクを高め、(3)は政策終了後の反動減に警戒が必要となるが、それでも景気底割れ回避を目的に、こうした政策が実施されることになろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)